FF9 君の小鳥になりたいの#1


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パレードが一通り終わると、バクーがノッシノッシと舞台中央に上がってきた。
劇団タンタラスではバクーが前口上を務めるのがお決まりとなっている。
この日もバクーはそのお決まりどおり、タキシード姿で現れた。
似合うわけがないのであった。今にもワイシャツのボタンが
弾け飛びそうなどてっ腹、いかにも悪役が似合いそうな顔、寝るときさえ
取らないんじゃないかと噂されるゴーグルが一体となった変なマスク。
そんな男がビシッと正装で決めようと努力している姿は、もはや
一種のギャグと受け取る者さえいた。当然、これを初めて見た者は困惑する。
どうするの?こんな男が司会で大丈夫なワケ?お金ちゃんと返して
くれるのかしら……。貴族たちがいろいろ批判言いたい放題口にしていると…。
バクーは息を一飲み、「さあて、お集まりの皆様!!」その迫力ある
低い声で貴族たちの批判を黙らせた。同時に、バクーに観客の注目が
一斉に注がれる。バクーは大勢の観客から発せられるプレッシャーを
物ともしないといった顔で、一呼吸間をおいて、続けた。
「今宵、我らが語る物語ははるか遠い昔の物語でございます。
物語の主人公であるコーネリア姫は恋人マーカスとの仲を
引き裂かれそうになり……一度は城を出ようと決心するのですが、
父親であるレア王に連れ戻されてしまいます。今宵のお話は、それを聞いた
マーカスがコーネリア姫の父親に刃を向けるところから始まります。」
バクーの声は、先頭に座る者にはちょっとうるさすぎるくらい
よく通っていた。バクーはさらに続ける。
「それでは、ロイヤルシートにおられますブラネ女王様も、ガーネット姫様も、
そして貴族の方々も、屋根の上からご覧の方々も、手にはどうぞ厚手の
ハンカチをご用意下さいませ。」バクーはちょっと気取ったしぐさで
一礼すると、気持ち急ぎ気味に舞台裏へと退散した。レア王に変身するためだ。
バクーが去った後も、拍手はしばらく鳴り止まなかった。
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