地震はまだ止まない。
それどころかたった今俺達がさっき迄いた村は地面毎沈んでいた。
それを確認した俺は急いで運命の丘を抜けフォレスタに向かおうした。
(ここもヤバい)
俺の旅人としての直感がここを離れるよう忠告していた。
運命の丘に入った俺達は走れるだけ走った。
途中で老人が立っていた。
いや立っているというより浮いている。
下半身が雲の様な物に覆われていて足が見えないのだ。
俺はこの老人を精霊か何かと感じた。
何にせよここにいるのはまずい。
俺は老人に声をかけた。
「大変だ!村が一つ沈んだ!ここもヤバい!」
老人は俺達を見てこう言った。
「こっちじゃ!」
老人は流れるようなスピードで俺達を誘導する。
するとかなり大きな地割れが出来ていた。
老人は難なく地割れを飛び越え、こう叫んだ。
「今じゃこっちにジャンプじゃ!」
「無理だよう・・・」
子供が弱音を吐いた。
まぁ確かに普通は無理だろう。
「しっかり捕まってな。」
俺は一呼吸する。一か八かの賭けだ。俺は子供を抱き抱え助走をつけた。
俺は走り幅跳びの要領で一気に地割れを飛び越えたのだ。さすがに跳躍力には地震がある・・・じゃなかった自信があるとはいえ凄くびびった。
俺が向こう岸に着陸した時ちょうどいいタイミングだったのか、俺達がいた岸は沈んでいた。
最終更新:2007年12月12日 15:41