FINAL FANTASY IV プロローグ10


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「……ええい、ここでクヨクヨしても始まらん!
 わしは家に帰るぞ。最近詰めっぱなしで、娘がうるさくてな!
 セシル、お前も悩んでばっかりいるんじゃないぞ!
 若い者がそれではいかん!ローザも心配しとったぞ!
 ローザを泣かセたら、このわしが許さんからな!」
我慢の限界だと言わんばかりに、唐突にシドが怒鳴りだした。興奮すると彼は早口になる。立ち上がった拍子に椅子を蹴飛ばし、無意味に力強い足取りで、技師長は詰め所から出て行った。
何事かと驚いていた隊員たちが、セシルに視線を移し、苦笑する元隊長に同じ表情を返す。
シド=ポレンディーナ技師長は、実に気持ちのいい人物だ。しかし彼の相手をしていて、ときどき疲れてしまうのは、セシルだけではないようだ。
室内の2/3が仲良く肩をすくめたところで、問題の人物がひょっこりと戻ってきた。
「ともかく気をつけてな!
 幻獣など、お前の暗黒剣で一撃じゃ!」
それだけ言い残して、さっさと首を引っ込める。顔中真っ赤になっていたが、かなり飲んでいたわりに、遠ざかっていく足音は危なげがない。
口をつけぬままの杯を置いて、セシルも席を立った。
「……そろそろ、僕も戻ることにする。
 皆、元気で」
「はい、お疲れ様です」
「早く戻ってきてくださいよ!」
入口で一度向きを変え、全員に敬礼を送るセシル。
それを見送る隊員たちは、彼が階段の上に消えるまで、姿勢を崩すことはなかった。

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