FINAL FANTASY IV プロローグ11


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隊員たちとの餞別もすみ、なお複雑な思いが交錯しながらもセシルは自室へと向かった。
「セシル隊長」
ふと誰かに呼び止められ振り返ると、そこにはまだ少女のあどけなさが残るメイドが心配そうにセシルの方を見ていた。
「どうしたんだい?」
「いえ、その…ベッドのシーツを、取り替えておきました」
「そうか、ありがとう」
セシルがそう答えると少女はかすかに頬を赤らめ、うつむいて視線をせわしなく動かした後にふうっと息をついた。
「明朝、出発なさるそうですね…どうか…今夜はゆっくりおやすみ下さい」
そういうと逃げるように立ち去っていき、少女を見送ったセシルは、「ありがとう」と呟いた。

自室に入ると、張り詰めていた空気がすっと落ち着いた。
先までの喧噪が嘘のようで、辺りには時計の音より他は何も聞こえなかった。
ただ、時々誰かの叫ぶような声を感じた。
そして、ミシディアで聞いた悲鳴を思い出した。

気がつくと、窓からはいつの間にか星が見えていた。
時計をちらりと見て、セシルはベッドに潜り込んだ。
時計の音は辺りの静けさと反比例して、機械的な音がセシルの中に刻まれていく。
「陛下は…どうされたのだ?以前はナイトとしても名をはせ優しく強い御方だった。孤児の僕やカインを自分の子供のように育ててくれた…」
セシルはぎゅっと目をつぶり、下唇を噛み締めながら、かちんかちんという音といっしょに魔導師たちの叫びを聞いた。
「ミシディアのクリスタル…無抵抗な村人から奪ってまで手に入れなければならぬ程の物なのか……命令とは言え…!」
それは何かを吐き出すかのように見え、時計の音は消えていた。
その代わりに透き通った女性の声を聞いた。自分の名前を呼んでいるようだった。足音が、少しずつ大きくなってくる。
セシルは壁の方へと寝返りをうった。

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