「Prelude13」


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まるで何かの冗談のように――魔法障壁が、崩壊した。その輪郭が歪み、融けるように――障壁が音もなく消えた。
「魔法障壁が……!」
愕然と、ラスラが呻く。
「これまでか……」
 思わず呟いてしまってから、バッシュはかぶりを振る。まだだ。諦めてはいけない。可能性がある限り――希望がここにある限りは、まだ決して終わらないのだから。
 ラスラはバッシュを抜かすと、殺到する兵士をその剣で薙ぎつつ進んでいく。どうやら、先ほどのバッシュの意見――撤退、ということばに賛同しているようだった。魔法障壁のない今では、空からの勢力が一番無防備なこの最上部へと殺到するのも時間の問題だろう。
「父の仇を! 父の仇を――!!」
 ラスラは自らを鼓舞するかのようにそう叫ぶと、前進を始めた。チョコボ上から群がるアルケィディア帝国軍兵士を薙ぎ倒して進んでいく。その勇ましい背中に、バッシュも続こうとして――
(――――っ!)
 ふと悪寒のようなものを感じ、バッシュは一瞬動きを止めた。背中の毛がすべて粟立つような――そんな、感覚。初めてではない。幾度も戦場で感じたことのある感覚。自分に向けられた殺意――とでもいうべきものだろうか。戦士としての危機感、とでもいうべきだろうか。
 バッシュは焦燥に駆られたようにあたりを見回す。そして――
 視界に走ったその姿に、バッシュは一瞬頭の中が真っ白になったような感覚すら覚えた。
 前方――ちょうど、先行するラスラの視界からは外れるであろう位置。そこに――弓を構える、一人の兵士の姿。ラスラの姿――その装束や装備から、将軍首だと判断したのだろう。その兵士の弓は、明らかに自分ではなくラスラを指し示している。
 絶望的な想像が脳裏を占める前に、彼は叫んだ。
「ラスラ様!!」
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