「Prelude15」


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 と――
轟音に思わずバッシュは顔を上げた。
上空――魔法障壁の無くなった夜空から、ダルマスカ王国軍の大型飛空挺が一機――こちらへと墜落してくるのが見えた。
バッシュは思わず身構えたが、その飛空挺はバッシュたちのいる位置からずれた場所へと落下していく。轟音と共に落ちていく飛空挺は、ナルビナ城塞の堅牢なる外壁を抉るようにして落ちていく。
その破片の一つが、バッシュたちのすぐそばに落ちた。崩れた外壁の下敷きになった者の悲鳴に驚いたアルケィディア帝国軍の兵士たちの注意がそちらに向かう。同時に、地面に落下した飛空挺の爆発音。
これ以上の好機はないだろう。これが――最後のチャンスだ。
「はぁっ!」
バッシュが気合を入れて叫び、綱を強く引いた。すると、待っていました、と言わんばかりに――二人分の重量など気にならないかのように、チョコボが軽々と跳躍した。
チョコボをひづめを眼前に受けた兵士が悲鳴を上げる。その悲鳴にこちらを振り返ったアルケィディア帝国軍の兵士たちが、すぐに注意をバッシュたちへと向けた。
が――その時には、バッシュはすでに外壁の落下地点からは離れた場所にいた。
 兵士が叫ぶ。将軍首が逃げた――とでも叫んだのだろう。一騎のチョコボ騎兵を、進行方向にいたアルケィディア帝国軍の兵士たちが認める。
 こちらに殺到する兵士を、バッシュは剣で薙ぐ。悲鳴を上げることもなく倒れる兵士を振り返ることなどせずに、バッシュは向かってくる敵すべてに剣を突き立て、進んでいく。
(まだだ。まだ、終わりじゃない――!)
 腕の中のラスラを落とさないように抱え直して、バッシュは疾走する。背後で怒号や悲鳴が聞こえてはいたが、振り返ることすら出来ず――ただ、チョコボを進めていた。

 その背後で、何かが倒壊する音を聞いてバッシュは振り返った。その視界に――白魔導士たちが魔法障壁の呪文を詠唱し続けていたナルビナ城塞最長部の塔が、轟音と共に崩壊する姿が見えた。
 すべてが終わったのだと、――バッシュは、思った。
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