一節 闇と霧の邂逅3


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そのとき、女性の透き通るような声で、「引き返しなさい」と聞いた。
セシルは霧の中に何者かと叫び問うたが、何の返事も得られなかった。
セシルはカインの方を見ると、カインは肩をすくめて歩き出した。

セシルたちの通るミストの洞窟は霧深く閉ざされており、
中に入ったものは寸分先を見るのにも神経がいるほどであった。
その怪しげな空気が邪なものを引き寄せるのか、内部には地上よりも多くの魔物が潜んでいる。
そうはいっても軍事国家バロンが誇る赤い翼、竜騎士団の隊長ともなれば、
どんなに群れてかかってきてもまだまだ役不足な相手であった。
そこでセシルたちは別段どうということもなく現れる魔物を切り伏せ突き進んでいったが、
何しろ先に述べたように霧が深く、少しの油断がどんな危険に繋がるかわからないという状況である。
魔物どもはこのような劣悪な環境に慣れているのか、視界の不利は力の差を少しは縮めていた。
それが決定的なものになるほどではなかったにせよ、
特に巨大な蛾のようなこの洞窟特有の魔物、インセクタスの存在はセシルたちを驚かせた。
もっとも、決して強いということはなく、地上にいるハリネズミのようなソードラットなどのほうがまだいくらか手強いだろうが、
やはり霧という特殊な状況がことさらにインセクタスにとっては有利なものであった。
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