FF5 4 隕石が導く出逢い3


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バッツは一息つく間も無く女の子に走り寄る。
「おい、大丈夫か?」
優しく女の子に話し掛ける。
「・・・う、ん」
女の子は無事だった。何処にも目立つ傷はなく、バッツは安堵の表情を浮かべた。
そして女の子は立ち上がり服についたほこりやゴミを手で掃いながらバッツにお礼を言う。
「あ、ありがとうございます!本当に危ない所でした・・・」
「ああ、とにかく無事で良かったよ。最近はここらもな~んかモンスターがよく出るからなぁ」
「そうですね・・・」 

少しの、間。いつもの風の音が、今日は聞こえない。

「...あ、自己紹介が遅れました、私はレナと申します。あなたは・・・」
「俺はバッツ。ボコって言うチョコボと一緒にあてのない旅をしてるんだ」
「あてのない旅・・・」
レナは不思議そうに呟いた。
「そ、だからまぁ、無理矢理言うなら旅人ってところかな」
「旅人・・・」
レナはまた呟く。
「まぁ、そんなにカッコイイもんじゃないんだけどね、実際はさ」
バッツは少し笑いながら自分を偽りなく紹介する。
人見知りせず、誰とでもすぐ打ち解けられるのは生まれ持った個性であろう。


レナは「はっ!」と気付き、さっきまでと違う表情をした。
バッツがその表情の変化に気付く間も無くこう言う。
「風の神殿・・・」
「ん?」
「そう、風の神殿に行かなくては!」
「風の神殿って・・・あの?」
レナが深く頷く。
バッツもさすがに昔のタイクーンの事は知らなくても、この事はなんとなく知っていた。
クリスタルが祀られてると言う、あの神殿である。
「なんでまた?」
「ええ、実は数日前にお父様が風の神殿へ向かったの・・・」
バッツは黙って聞いている。
「(さっきから『申します』とか『お父様』とか、育ちのいい娘なんだなー)」
しかし心の中ではレナの品の良さに感心している。
「(そう言えば身なりもどことなく上品と言うか・・・旅用の皮の服とかナイフとか装備してるけど似合ってないような・・・)」
レナは如何にも服に『着せられてる』様な格好である。胸には印象的なペンダントがキラリと光る。

「あの・・・聞いてます?」
レナが少し疑惑の表情。
「へっ?...あ、ああ、もちろん、もちろんさ」
バッツは虚を突かれ少し慌てる。
「・・・で親父さんが神殿に向かって戻ってこないって」
「えぇ、凄く心配で心配で・・・」
レナは少し泣き出しそうな表情である。自分の父親が戻ってこないんだから当たり前だろう。
そんなレナの表情に内心少しドキッとしているバッツ。

「それに最近風が止まったでしょう?何か関係あるんじゃないかと想うと居ても立ってもいられなくなってしまって・・・」
「そう言えば・・・」
言われてみれば辺りは木々に囲まれてるのに不気味なほど静かだ。
さっきまでのざわめきは一体なんだったんだろうと想うほどだ。
「風がないなぁ。確かにおかしい・・・」
「ですから風の神殿へ行かなくてならないんです!」
間髪入れずに話すレナ。その声はさっきより大きい。バッツは彼女の真剣な表情に言葉がつまる。
「や、でっ、でもいくらなんでも女の子ひとりってのはさぁ・・・」
「でもっ!」
さらに声が大きくなるレナ。
父親の事を想ってさっき出逢ったばかりの青年に感情的になってしまっている。


「またさっきみたいにモンスターに襲われる可能性もあるし・・・」
バッツは彼女の父親を想う気持ちは痛いほどわかっているつもりだ。
自分の父親が行方知れずになってしまったら・・・
やはり彼女と同じ行動を執るだろう。
しかし、彼女自身が危険な目に遭うのも目に見えていた。
「そうですけど・・・それに、さっきはモンスターに襲われてたわけじゃありません」
「へっ?」
またしても素っ頓狂な声をあげるバッツ。
「丁度出掛け始めた所ですぐに轟音が鳴り響いて、空を見たら隕石が降って来てて、気付いたらあなたに助けられてたんです」
初めてこうなる状況を説明したレナ。
「(ん?出掛け始めたってこの先はタイクーンの城しかないんだけど・・・)」
少し不思議に想うバッツ。
そしてあることに思い出した。
「あっ!隕石!」
そう、レナがゴブリンに襲われそうになった所を助け、今に至っている。
すっかり隕石の事を忘れていたのである。

しかしレナは続ける。
「あなたには本当に感謝しています。しかしこうしてる間にも時間は過ぎてゆくんです!」
「だから私は風の神殿は向かいます!」
捲し立てられて少し押されるバッツ。
そしてレナはバッツに別れを告げようとする。
「本当にありがとうございました・・・では縁があればまた何処かで・・・」
「お、おい、ちょっと待てよ・・・」
力なくバッツが呼び止めようとするがレナは背を向け歩き出そうとしていた。
しかし立ち止まる。それはバッツの声によるものではなかった。

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