FF5 21 シルドラ


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翌朝。
レナは目が覚めていた。今の自分が置かれている状況を再確認して『現実』を認識する。
「(今日は一体どうなるんだろう…)」
それは自分自身で決められる事。それなのに、うまく行かない。

『ガチャッ!!』
乱暴にドアが開く音でようやく目が覚めるバッツとガラフ。
「おい、開放してやるぞ」
「え?ホント?」
予想外の言葉に眠気もすぐに消える。
「…でも、なんで急に?」
ガラフが疑問を投げかける。それもそうだ。昨日はあれだけ敵対心があったのに。
「いや、お頭の命令だからな」
子分の海賊はちょっと不服そうである。
「親分って、あの紫髪の?」
「ああ、そうだ。さあ来い!」
「(やっぱり…)」
レナだけは心の中で確信していた。このペンダントのおかげだと。


84 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/09/15(木) 19:41:24 ID:QxkPoKdR
船上は妙な空気だ。ファリスと対面する3人。子分達はみんな顔が冴えない。
「俺の名前はファリスだ」
何処となくぎこちない自己紹介。

間。微かな、波の音。

「お、俺はバッツ」
「わしはガラフじゃ」
こちらもかなりぎこちない自己紹介。
それもそのはず。昨日は完全に敵同士の関係だったのだから。
それがいきなり面と向かって自己紹介。レナは不思議とこの状況がおかしかった。
昨日まではあんなに切羽詰っていたのに。昨日より少しは余裕が出てきたのかもしれない。

「あのさ、こんな事言うのも変だけど何で急に開放してくれたの?」
バッツがちょっと怪訝そうに投げかける。

「…………………」
ファリスは考える。じっと待つ3人。そして子分たち。

そして誰もが予想だにしない驚きの答えが出る。

「風の神殿へ向かう!」


「マジで?」
「本当か!」
「(…良かった…)」
3人は顔を見合わせて大はしゃぎ。思わぬ形で目的地へ辿り着けるのだから。
逆に子分たちは鳩が豆鉄砲どころかバズーカ砲でも食らったかの様な驚きの様子だ。
「お頭、一体どういうことだよ!」
「そうですよ!なんでこいつらの味方になるんすか!」
「ちゃんと俺らに説明してください!」
子分達は非難轟々だ。一気に自分らのお頭を責める。

「うるさぁいっ!!!」
一瞬空気が凍りつく。子分たちは一斉に黙る。
「(…さすがお頭って所かのう…)」
またしてもガラフは冷静に分析、観察。
「俺が行きたいから行くんだ。悪いか?」
そう言って子分を睨みつけるファリス。その瞳はまるで狼のように鋭く、冷たい。
「…は、はい…」
「…そ、そうですよね」
「ハ、ハイ、何処も悪くないです!」
子分たちは観念したようだ。

「…で、でもさ」
バッツが空気を読みつつ慎重に話を続ける。
「今はもう風が失くなってきてるのにどうやって船を動かすんだ?」
「知りたいか?」
急にニヤリと笑って自信に満ちた顔になる。


「シルドラ!こいつらに挨拶しな!」


すぐに海面から竜が顔だけ出す。
「ギャーゲェー」
ちょっと甲高い特有の鳴き声で挨拶。
「うわ、凄いのう」
「こいつの上に船が乗ってるのか!?」
「もしかしてこれが?」
3人は驚いた様子でシルドラを見る。
「そうだ!シルドラと俺はガキの頃から一緒に育った。兄弟みたいなもんさ!」
「この海賊船はコイツによって快適な走りが出来るってわけだ」
ファリスはとても嬉しそうな顔で自慢をする。
バッツにはその気持ちが充分わかる。自分にも『相棒』がいるからだ。
「(へー、こいつ案外いい奴なのかもな…)」
バッツは少しファリスに対しての警戒心を解いた。

「さ、野郎ども、まずは準備を整える為にトゥールへ向かうぞ!美味い酒も飲みたいしな!」
「「「「「「「アイアイサー!!!」」」」」」」
すっかり『海の男』なファリスは生き生きして威勢よく子分たちに指示を出す。
しばらくして船が動き出した。揺れも少なく、快適な船旅になる事は確実だ。

「(…あっ!ボコ待たせっぱなしじゃん…)」
バッツは思い出した。洞窟の入り口にボコを待たせている事を。
しかし今はもう海の上。いくら仲間になったとは言えまだファリスにあーだこーだ言うのもちと怖い。
「(うーん、しょうがないか。ボコ、ごめんな…すぐ戻ってくるから…)」
バッツは少しの気がかりを残しながら流れる景色をぼーっと見ていた。
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