FF5 35 ファリスの決意

翌朝。船旅日和の快晴に恵まれた。朝日がさんさんと降り注ぐ。
「レナ様!!どうか、くれぐれもお気をつけて!!運河の魔物はおそらく、雷に弱いと思われますぞ」
「ええ。わかったわ!本当にありがとう!」
そう言って一行は貴重な情報と運河の鍵を貰い、ゾックと別れ、旅支度をする。
クリスタルのかけらの力によって魔法が使えるようになった為、魔法も購入した。
こうして、一行がトゥールの村を出ようとした時だった。

「お頭ー!待ってくれー!!」
「あっしらも行きますよー」
ファリスの子分達が続々と酒場から出てきた。みんな顔が紅い。
こうして子分が勢ぞろいした所でファリスは切り出した。
「お前達は置いていく!」
冷たい口調で言い放つ。
「ええっ!?」
「どうしてだい!?」
「あっしらはお頭に付いて行きますぜ!」
子分達は一気に酔いが醒め、ファリスに詰め寄る。
「いや、お前達はアジトで待ってろ」
「「「「「「「お頭!!!」」」」」」」
子分の声が一斉に揃う。
「いや、この旅はとても長い旅になりそうなんだ…お前達は俺がいない間、アジトを守ってくれ!頼む…」
ファリスがさっきとは違う、力強く、熱のこもった口調になる。

しばしの沈黙の後、子分達がファリスに伝える。
「分かりやした!必ずアジトを守って行きます!お頭もお気をつけて!」
親分の想いを受け止めたのである。
「…ありがとう。じゃあ行ってくる。アジトには必ず戻ってくるからな」
「はい!お気をつけて!」
ファリスは子分達へ、感謝の気持ちでいっぱいだ。


「ファリス…本当に良いのか?」
「ああ、あんなにたくさんは連れて行けないだろう?」
「ま、まあな…」
バッツはファリスの顔が今までと違うような気がした。

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最終更新:2007年12月13日 03:36
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