FF5 36 クリスタル


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一行は運河に向かって順調に航行していた。この内海に魔物が全く居ないのも運河の門のおかげだ。
甲板では穏やかな潮風が吹いている。バッツが甲板に出ると、レナが暗い顔をしていた。
「レナ、どうしたんだ?」
何気無く軽く話し掛けるバッツ。
「風のクリスタルは砕け散ってしまった…」
バッツはその言葉に少し顔が硬くなる。
「今は風の力が弱まっているだけ。でもしばらくすれば風は完全に止まってしまう。
そして何年かすれば、空は完全に澱み、鳥たちは飛ぶ場所を失う…」
レナは淡々と数年先に迫っているであろう未来を予言する。
風のクリスタルが失くなったのだから、この予言は確実に的中してしまう事をレナもバッツも分かっていた。
「そ、そりゃ酷いな…でももうどうする事も出来ない…」
バッツはやり場のない怒りを覚える。クリスタルが砕けた理由は謎のままだからだ。
「お父様は、他の3つのクリスタルを守れと言っていたわ」
「他の3つって…水と、あと2つは?」
「火と土。あわせて残り3つ」
「もし全部砕け散ったら…」
バッツがあってはならない事を尋ねる。もちろん、そうならないように今、ウォルスへ向かっているのだが。
「多分暫くは何も起こらない。でも…徐々に大地は腐り、水は澱み、流れを止め、火の力が止まる」
「それって…」
「人の住めない世界になってしまう…」
レナはさらに表情が重くなる。
「そりゃ、本格的にまずいな。どうにかしてクリスタルを守らないと…」
バッツはあれこれ考え始める。
しかしまだ何も分かってないのだから考えても分からない。余計焦る想いが大きくなってしまう。


「クリスタルを守るぞい!」
そこへガラフが威勢よく言ってきた。
「ガラフ!記憶、戻ったのか?」
「いいや、もうわしの記憶とか言ってられる状況じゃなくなってきておる。なんとしてもクリスタルを守る!」
ガラフは窮めて明るく、元気よく決意を口にする。
「俺も行くぜ」
さらにこの会話の輪にファリスまで入って来た。
「レナの親父さんを捜すってのもあるしな」
「ファリス…」
レナはファリスの思いがけない言葉に胸が熱くなる。
「黒い影に包まれて消えたんだよな…」
「大丈夫だ。レナの親父さんは生きてるだろう。絶対に死んではいない」
ファリスはいつもの口調で語る。しかし、その裏にはしっかりとした想いが込められている事をレナは分かっていた。

「バッツ…一緒に来てくれる…?」
レナは改めてバッツに尋ねる。
「俺は、ただ旅をしていただけだ…ただ、こいつを見てると…」
そう言ってバッツはポケットからクリスタルのかけらを取り出して手の平に乗せた。
かけらは初めて見た時から全く変わらない輝きを放ち続けている。
「クリスタルのかけら…」
レナがそのかけらをじっと見つめる。何処までも透き通った、汚れのない輝き。
「もうこのかけらはこれだけで充分だ。残り3つ、なんとしても守らなきゃならないな!」
バッツはかけらを握り締めながら気合を入れる。
「よーし!行くぞい!」
ガラフがそれに続く。もうすぐ船が運河に着こうとしていた。
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