ファリスが女だったと言う事実発覚から一夜。
また、いつもの様に変わらない4人の変わらない旅が始まった。
途中、海賊が遺していったと思われる、貴重な世界地図を手に入れるなど、収穫もあった。
そして、やっと出口が見えてきたと言う所で辺りに不穏な空気が立ち込める。
「なんか、嫌な感じだな…」
辺りが暗くなると、そこに突然1人の女性が現れた。
「バッツ…こっちへおいで…」
それはバッツの母だった。バッツは何も言わず母の前へゆっくり移動していった。
「おい!バッツ!あきらかにおかしいぞ!バッツ!」
ガラフの呼びかけにもバッツは応じない。
そしてさらにタイクーン王まで現れた。
「こっちへ来なさい…」
レナはその言葉に誘われるように父の前に移動してゆく。
ファリスもレナを気にかけついていってしまう。
「おい、バッツ!レナ!ファリス!おかしいと思わんのか!」
ガラフは3人に大声で呼びかけるが反応が無い。
そこへ金髪の女の子が現れた。
「おじいちゃん、こっちに来て…」
「誰じゃ…?思いだせん…」
ガラフは記憶喪失の為、目の前の女の子を誰か認識する事が出来なかったのだ。
そこへ、青いドレスに身を包んだ謎の女が現れた。
「命を吸い取られるがいい…私達の仲間になるのだ!」
「くそっ!やはり罠だったか!おぬし、何者だ!」
「ほう…私の術にかからぬとは…」
その女は少し意外といった表情でガラフを見る。
しかし、すぐに余裕の笑みを浮かべて自己紹介した。
「私はセイレーン。3人の命は貰った。邪魔をしなければ、お前は返してやろう」
「そうはいかん!」
冷静にとんでもない事を言い放つ。ガラフはセイレーンと戦う決意をした。
「何故、その3人を守る?」
セイレーンがガラフの気持ちを弄ぶかのように嘲笑いながら尋ねる。
「わしの…仲間だからじゃ!」
ガラフはセイレーンに力強く言い放った。
「惑わされるな!みんな目を覚ませ!」
そう言ってガラフは3人の頬を強く叩き、文字通り叩き起こした。
気がついた3人はガラフの方へ歩み寄る。
「「「ガラフ!」」」
「礼は後じゃ、奴が来るぞ!」
「おのれっ!覚悟!」
最終更新:2007年12月13日 03:46