赤い肌へと変貌したセイレーンはガラフに近づき、ぎゅうっと抱きしめた。
「うっ?ぐぁぁっ!」
「ガラフ!大丈夫か?」
ガラフはかなりの傷を負い、さらに毒にかかってしまった。
「う、わしを気にかけるぐらいなら早く奴を…倒すのじゃ…」
ガラフは今にも倒れてしまいそうだったが、
モンクの特徴でもある体力の多さに助けられていた。
「くっそー、さっさと倒れろ!」
バッツが気合を入れて斬りかかる。
『ザシュ』
しかし、さっきより手ごたえが無い。姿が変わり強さも増したのか。
バッツはそう感じた。
「ちッ…何か奴に弱点はあるのか…」
「…姿が変わったのなら、もう一回やってみるか…」
ファリスは呟く。さっきは魔法が効かなかった。もしかしたら、今回はいけるかもと思ったのである。
スロウで動きを鈍らされてる分、考える時間がたくさんあった。
しかし、まだ動きが鈍いままだ。
「…もうちょっとだな…」
ファリスは歯がゆい思い出自らの体を動かしている。
「ぐあっ!」
「きゃぁ!」
一方、残りの3人はレナの回復魔法でしのぎながらも防御力の高まった相手に打開策を見つけられないでいた。
「キリが無いな…」
「しかし、奴の体力も無限なわけあるまい…」
ガラフはまだ毒に犯されたままだ。それでも、セイレーンを倒すべく攻撃の手を緩める事は無い。
「ホラホラ、どうしたい?さっきまでの威勢は何処へいったんだい?」
打つ手無しのバッツ達を笑い飛ばすセイレーン。
「…ファイア!」
そこへまたしてもセイレーンへ炎が飛んでいった。
「ファリス!炎は効かな…」
レナがそう忠告しようとしたその時だった。
「ぐわあああぁっ!」
「え?」
そう、さっきは全く効かなかったファイアが今回はまともに効いたのである。
「…よっしゃ!…どうやら、、、変化して、、、弱点が見えた、、、ようだな、、、」
ファリスはスローなままそう言ってしてやったりの笑みを浮かべる。
「いいぞ!ファリス!」
バッツはファリスに威勢のいい言葉をかける。
そして、さらにレナが閃く。
「(…もしかして…)」
そして閃いた後すぐに魔法をかける。
「ケアル!」
それは、回復魔法だった。しかし、味方にではなくセイレーンに向けてかけていた。
「お、おい、相手を回復させんなよっ!」
バッツが慌てて止めに入る。
「いや、これで良いはずよ…」
レナが慎重に成り行きを見守る。
「う?力が、吸い取られていく…?」
セイレーンは一気に大量の体力を奪われて焦った。
「まさか、あいつ、アンデッドなのか?」
「ええ、赤い時は、そのようね」
最終更新:2007年12月13日 03:47