一節 闇と霧の邂逅9


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幻獣は一瞬、何が起こったのかわからなかった。
ただ、自分が深手を負ったことだけは確かだ。
セシルの放った暗黒の刃は、幻獣の放ったブレスを弾き飛ばし、さらに幻獣の片目を切り裂いたのだ。
「く…よくも!」
毒づき、再びブレスを放とうとする。だが、先ほど受けたダメージは思った以上に大きく、ほぼ全く動けない。
「気付いて…いないようだな…お前は、今、煙幕の…外だ…」
その場にうずくまりながら、セシル。攻撃の反動で、こちらも満身創痍だ。
そして幻獣は、自分の今置かれている状況にようやく気付いた。
煙幕の外から出てしまい、待ち構えていた竜騎士に丸見えだ。
何より、その竜騎士は、槍の切っ先をこちらに向け頭上から凄まじい勢いで襲いかかってきている。

次の瞬間、カインの槍は、ドラゴンの残った片目を深深と貫いた。
ミストドラゴンは、悲鳴とも金切り声ともつかない断末魔の絶叫を上げ、果てた。

「はは…終われば…ハァ…楽だったな…」座り込み、肩で息をしながらセシルが言う。
「何が楽だ。ぼろぼろじゃねえか」カインが笑いながらセシルを助け起こしてやる。
「さあ、日の暮れないうちに指輪をミストの村まで届けよう。村へ指輪を届けたら一晩休んで、後はバロンへ帰還するだけだ。」
「帰還するだけ…か…」
「ああ、あと2,3日もすれば飛空艇隊隊長に返り咲き出来るさ。」
カインはそういって、ハハッと笑って見せる。
だが、この時二人とも何か言葉では言い表せない、嫌な予感のような物を感じていた。
心なしかその予感は、洞窟の出口に近づくごとに大きくなって行くような気がした。
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