二節 試練22


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その夜、セシルはなかなか寝付けずにいた。
明日の試練の事、ローザやカインの事
突如、任される事となった双子の魔導師達の事も
気がかであったが、何よりこの街の人たちのことが頭から離れなかった。
いくら長老がセシルを認めたとはいえ、街の者はやはり納得できない様子であり、
セシルへ向けられる態度は冷たかった。
夕方、ポロムに案内され道具屋へ行った時の事が脳裏によみがえる。

「あっ…暗黒騎士……」
扉を開き薄暗い店内へ入ると、店主を含めた皆の冷たい視線が
一斉にセシルを襲った。
「早く用事を済ませましょう……」
ポロムは小さな声で言った後、そそくさと店主の方へと歩いてく。。
既に店内には先程までの喧噪は消え失せていた。辺りからは
しきりにひそひそと話し合う声が聞こえる。
「どうした……」
道具屋の店主が抑揚の無い声で呟く。
「彼……セシルさんは明日試練の山へ参られます。
その為の準備をと……」
「あんたがパラディンに! 笑わせてくれるぜっ!
だったら俺でもなれそうだな!」
店内の奥で商品を品定めしていた黒魔導師が野次を飛ばす。
それが引き金となり周囲の客から嘲笑の声が次々と上がる。
「…………」
セシルはただ、黙ってその嘲笑を聞いていた。
そう……例え命令であったとしても自分はこの町に手を下した。
それは変えようの無い事実である限り、今のセシルは彼らに対し返す言葉を
持ち合わせていなかった。
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