二節 試練23

「ほらよ……」
店主はカウンターにポーション等のアイテム一式を入れた
革袋を置いた。
「ありがとう……」
袋を取り中身を確認する。その時、今まで寡黙であった店主が静かに口を開いた。
「暗黒騎士さんよ……俺はあんたの侵攻で大事な人を殺された。
だが、あんたを恨もうとは思わん。いや、恨んだって仕方がないと思っている。
しかし、この町にはあんたに深い恨みを抱く奴が多くいる。あいつらみたいにな」
そう言って顎で店内を指す。
「たとえどんなに罪を償おうが、一度行ってしまった罪は消せない。そうだろ?」
それはセシル自身が一番分かっていた。それでも自分は……贖いたい。
それがどんな辛く険しい道でも……
「さ……もういきましょ……」
ポロムが静かに言う。早くこの場所を出たいようだ。
「分かった」
踵を返し、今だに笑いの蔓延する道具屋を出た。

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最終更新:2007年12月13日 04:46
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