三節 山間14


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「無茶ですよ、おやめ下さい」
「止めないでくれ! 奴は何としてもこの私の手で葬る。
例え、この身が砕け粉々になろうとも!」
ポロムの抗議を弾くテラの瞳には計り知れないような覚悟と
決意に満ちていた。
その気迫に押され、ポロムこれ以上は何も言うことができなかった。
「私はこのまま頂上に向かう。セシル、お前も向かうのなら一緒に
いかぬか」
「分かった……そうしよう」
テラの誘いに相槌を打ちつつも、にわかには信じられない思いでかつての仲間を見やった。
今のテラには昔からは想像も付かないような厳しい雰囲気が感じられたからだ。
元からそこまで穏和な人物ではなかったのだが、今目の前にいるテラは
以前とは明らかに違う雰囲気であった。
憎しみとはこんなにも人を変えてしまうのであろうか。
「ちぇえ、大人って何でこんなに頑固なんだろうな」
今までずっと黙っていたパロムが皮肉混じりの愚痴をこぼした。
「ちょっと、何で止めなかったのよ」
ポロムはそんな軽口を叩く弟を思わず叱咤する。
「ま、爺ちゃんには爺ちゃんなりの事情って奴があるんだろ」
「ちょ……」
急に口ごもるポロム。何か言おうと思ったが、なかなか言葉にならない。
「正直おいらは子供だからな。大人の人間が抱えてる悩みなんて複雑すぎて理解できないよ」
そう言った後、先へと進むテラを追っていった。そんな弟の後ろ姿をポロムは呆然と見ていた。
彼が見えなくなってもしばらく立ちつくしていた。
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