FF6-Mt.koltz-7


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「マッシュ!」
 戦いが終わり、谷底に視線を落としている男にエドガーは声をかけた。ゆっくりとマッシュは振り返る。
 次の瞬間、ぽかんと口を開いた。
「兄貴?」
「お……弟、双子の!?」
「お……弟さん? わ、私……てっきり大きな熊かと…………」
 マッシュ以上に驚きの声をあげたのはロックとティナだった。
「熊ァ!? 熊か……そりゃあいい!」
 二人の驚きも無理もないだろう。エドガーといえば、女性という女性に片っ端から声をかける軟派な男である。まさかその彼の弟が、熊と間違えられて大笑しているこの大男だとは誰も思うまい。
「マッシュ、今の男は……」
「あぁ……さっきの話を聞いてたろう? 俺が弟子入りした人の息子で、俺の兄弟子だ。どうやら、奥義継承者が俺になってしまったらしく、それに逆上して師を殺して姿をくらませたんだ。
 だから一度、会って話をしたくて探していたんだが……こういう結果になっちまった…………」
「………………」
「まあ、残念なことになっちまったが、暴走したあいつが歪んだ拳をこれ以上ふるうのは、師匠も望まないことだと思う。
 バルガス……あの世でもう一度、師匠に鍛えてもらいな。技だけでなく、心も……」
 再び谷底へと視線を移し、マッシュはつぶやいた。
「マッシュ…………」
「それより兄貴。いったい何だってこんなところに?」
 再びこちらをみたマッシュに、悲しみの表情はうかがえなかった。感情を押し殺しているのだろうか?
 あまり触れないほうがいいだろう。エドガーは弟の問いに答えた。
「サーベル山脈に行くところだ」
 マッシュの目が鋭くなった。詰め寄って更に問う。
「もしや……地下組織理ターナーの本部?
 とうとう動き出すか! 影ながら冷や冷やしてながめていたぜ。このままフィガロは帝国の犬としておとなしくしているのかってな」
「反撃のチャンスが来たんだ。もうジイヤたちの顔色をうかがって帝国にベッタリすることもない」
「俺の技もお役に立てるかい?」
 力強く構えて見せて、マッシュは言った。
「来てくれるか? マッシュよ……」
「俺の技が世界平和の役に立てればダンカン師匠もうかばれるだろうぜ!」

 うなずいて、マッシュはロックとティナに向き直る。
「このフィガロ国王の弟、マッシュだ。よろしくな!」
「俺はロック。トレジャーハンターだ。まさかエドガーの弟がこんな筋骨隆々だとは思わなかったぜ」
「ティナよ。さっきは熊だなんて言ってごめんなさい」
 再びマッシュは大笑した。
「いいっていいって、気にしないでくれ。っげほっごほ!」
「大変、さっきの怪我が!」
「大丈夫か、マッシュ?」
「ああ、ちょっと内蔵を傷めちまったのかもな」
「ちょっと待って。――」
 言うとティナは呪文を唱え始める。
「――ケアル!」
 柔らかな光に包まれて、マッシュの傷が癒えてゆく。あちこちにあったあざやすり傷も全て消えてしまった。
「お? なんだか体が軽くなったぞ。凄い能力だな。ありがとよ、ティナ!」
「う、うん。どういたしまして」
 快活にマッシュは礼を言う。少し予想と違った反応に、ティナは戸惑った。また驚かれるのではないかと思っていたようだ。
 ロックとエドガーが二人から離れて何やら密談を始めていた。
「魔法を見ても全然驚いてない……お前の弟は凄いな」
「いや、単にアバウトなだけだろう……」
「ロック、エドガー。どうかしたの?」
「いや、なんでもないよ、ティナ」
「さ、行こう!」
 怪訝な表情で近づいてきたティナの肩に手をかけようとしたエドガーを押しのけて、ロックは出発の声をあげた。
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