一節 闇と霧の邂逅19


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少女の悲鳴は耳に入らず。
セシルの視界はまるでスローモーションであった。
手を伸ばし、拒まれ、瞬きで目に映る景色が切り替れば
年端もいかぬ女の子が口を大きく開いて何かを訴えている。
助けなければいけない。
彼女の命を救わなければ。
そんな焦燥感に駆られ、セシルはカインの手を振り払い少女の手首を掴んだ。
今、彼女を助けられるのは自分たちしかいない。そう強く信じた。
――だけど今、彼女を危険にさらしたのは…
「お母さんを返してぇえええっ!!!!」
―――!!

一瞬だった。何が起こったのかなどと考える余裕も与えられず、
セシルは自分の足が、いや体が突き飛ばされたように背後に倒れこまされるのがわかった。
背中を地面に打ち付けた衝撃で視界は少女の上方に移る。
そしてセシルは召喚士の脅威を目の当たりにした。
少女の後ろに、赤銅の肌の軽く城の一角にも匹敵するかのような巨人が立ち構えている。
「みんな……みんな」
セシルは、辛うじて轟音の中で少女の呟きを聞いた。
それから巨人がその巨大な足を持ち上げるのを見た。
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