「母さんの細胞を貰った仲間が一箇所に集まるんだ。そして星に復讐するんだよ」
うろうろとルーファウスの前を右往左往しながら、カダージュは週末の楽しい計画でも話すようだった。
「準備は着々と進んでるけど…ほら、誰かさんが母さんを隠しちゃったからさぁ」
一旦言葉を切り、まだ動けないでいるレノとルードに目をやる。
「準備だと?」
ルーファウスはカダージュの言葉の端を鋭く取り上げる。彼らの目的をさらに深く知るためだ。
「星痕…社長もよく知ってるよね?」
カダージュは短く答えて、ルーファウスの右腕に軽く手を添える。それだけで彼は腕に激痛を感じた。
クラウドが火傷だと思った右腕の痣は、実は火傷ではない。
ルーファウスもまた、星痕を抱えていたのだった。
「ライフストリームの中で、母さんの遺伝子念が頑張ってるおかげなんだ」
誇らしげに語るカダージュ。しかし、ここから先はその声が少し震えた。
「それなのに…それなのに僕達は母さんの居場所すら知らない」
嘆くカダージュを見据え、ルーファウスはまだ痛みの残る右手の指がピクリと動くのを押さえられなかった。
――おまえの目は節穴か。馬鹿め――
カダージュのこの一言の面白さときたら、無表情を保ちつづけるのが大変だったほどだ。
だが、幸いにもそのどれにも彼は気がつかなかったようだ。
「情けないけど、仕方がないんだよ。僕達は思念体だからさぁ。
母さんを見つけて細胞をわけてもらわない限り、元通りにはなれない」
ルーファウスの眼前に詰め寄り、続ける。
「思念と星痕だけじゃたりないんだ。本当の、リユニオンにはね」
話がすこしばかり飛躍し過ぎて、、ルーファウスは混乱した。
思念体とは?本当のリユニオンとはなんだ?お前達は何を企んでいる?
「…なんの話だ」
もっと深い所へ話を持って行こうと、ルーファウスが訊いた。
最終更新:2007年12月13日 07:01