FF7AC Hesitate3

「俺には…誰も助けられないと思うんだ」
暗く、重く、絶望的な声。
「家族だろうが…仲間だろうが…誰も…」
―――ああ、それで…
そこまで言ってまた黙るクラウドの背から視線を放し、ティファはまたうつむいた。
―――まだ、あなたはあの事を…

「…ズルズル ズルズル」
何度目かの沈黙の後、やはりティファが口を開いた。
失望したような、諦めきったような、うんざりしたような、そんな声。
クラウドがやっと振りかえると、ティファはクラウドに背を向けていた。
「ズルズル ズルズル!」
また言う。先程よりも少し大きい声だった。
その後の言葉を、意外な人物が引き継いだ。

「いつまで引きずってんだよ、と」
その声のした方に、クラウドとティファは同時に振り向く。
いつのまにか、タークスの2人が寝室の中に戻ってきていた。
「見つからないの!?」
すがるようにティファが訊く。
「銀髪の奴らが連れてった。目撃者がいたぞ、と」
レノが落ちつかなげに部屋を歩き回りながら、答える。
「行き先は?」今度がクラウドが、この時ばかりは急き込んで訊く。
「忘らるる都」ルードが答える。
「…アジトだ」
彼は腕を組んで壁に寄りかかって立ったまま、付け加えた。

その後、ティファ、レノ、ルードの3人が、意味ありげな視線をクラウドに送る。
その視線の意味する所を、クラウドは解かっていた。
暫く沈黙した後、彼は口を開いた。

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最終更新:2007年12月13日 07:11
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