朝7時。ミッドガルの冬は日の出が遅く、まだ遥か東の空がうっすら白んできた程度でしかない。
結局、一晩待ってもクラウドからの連絡はない。ティファの不安はいよいよ大きくなり、もう我慢の限界に達する寸前だった。
クラウドは一体どうしたんだろう。
携帯電話が壊れでもして連絡できないのか。いや、それとも…
ティファは首を横に振った。その可能性は考えたくない。
その時、意外にもレノの携帯電話が鳴った。レノは慌ててポケットから電話を取り出すと、画面を見て息を呑んだ。
「…ツォンさんからだ」
その一言でルードの顔にも緊張と動揺が浮かぶのがわかった。レノは電話を取った。
そして彼らは、カダージュ達がルーファウスを拉致し、このエッジへ向かっている事を知った。
状況は一変した。
レノとルードは慌ててセブンスヘブンを飛び出していったが、ティファはそれでもまだ、クラウドからの連絡を待っていた。
というのも、去り際にレノがいまから電話がかかってくるかもしれない、と言い残したからだ。
「ツォンさんはクラウド探しに行ってからエッジに向かうってよ。だからもうちょい待ってれば連絡があるかもしれねえぞ、と」
それだけ早口に言って、ルードとともに店を出て行ってしまった。
なぜツォンがクラウドの現状を知っているのか、そして彼を探そうとしているのか。
極度の不安に苛まれていたティファは、そこまでは考えが及ばなかった。
最終更新:2007年12月13日 07:37