二節 砂塵8


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バロンからの刺客を退けた後部屋にはセシルと少女の2人だけが部屋に残された。
宿の主人は処分すると言って部屋から男の死体を持って出て行った。先程の出来事の一部始終を見ていた彼は他に何も言わなかった。
しばらくの沈黙の後、口を開いたのは少女の方だった。
「ごめんなさいあたしのせいで……」
少女は今にも泣きそうな声で呟いた。
「あやまるのは僕のほうだ。それもあやまって済むような事じゃない……」
利用されていたとはいえ確かにミストを滅ぼしたのは自分だ、それは変えようのない事実でありどんな事をしても償えるものではない。
それはセシル自体も重々承知していることである。
「でも守ってくれた……」
少女は再び呟いた、その眼からは涙があふれていた。
「……」
そうだ……自分はバロンからこの少女を守った。
そしてそれはもう此処が少女のとって安全な場所でない事を意味している。
彼女を守る事、それが今セシルが少女にできる最低限の事だろう。
「きみを守らせてくれないか……」
セシルは少女に呟いた。
少女が自分を憎んでいるのは知っている、しかしこのまま少女を誰かに預ける事など今のセシルにはできそうになかった。
「あたし……リディア……」
リディア……それが少女の名前であること、そしてそれが彼女の答えだと言うことを理解するのに少しばかり時間がかかった
「ありがとう……リディア……」
セシルはそうリディアに呟くと黙って泣き続ける彼女を抱きしめた。 
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