四節 Eternal Melody22


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「ムダナコト
 ショセン バンゾクニ ソレハ アツカエヌ」
回復に追われるセシルたちへ、ダークドラゴンは嘲笑を浴びせた。
実際、盗みだされたクリスタルは、ダークエルフの魔力を著しく増大させていた。
しかし、今それを手にしているセシルたちには、何の恩恵ももたらそうとしない。
「ココデシネ!」
かっと開いたダークドラゴンの喉の奥から、またしても闇があふれ出した。
肉体に目に見える損傷はなく、しかし、確実に生命を削り取る黒。まるで、森の悪意を極限まで濃縮したかのようだ。
ねじくれた木々と毒を持つ花。腐った葉と屍骸の溶けて混ざり合った泥が、活力を根こそぎ吸い取っていく。
「……ケアル!」
次の攻撃が来る前に、とテラが自分を治療する。シドが腰のポーチから、ポーションの瓶を取り出した。
ただひとり、攻撃に回る余力を残していたモンク僧が、身を低くして床を蹴る。
見事敵の懐に潜り込んだ、と見るや、ドラゴンの巨体が信じがたい素早さで翻り、強かにヤンを打ち据えた。
「もう切れおったか!?
 この私のスロウが!」
ならば、とばかりに、さらに強力なストップの魔法を放つテラ。
効けば完全に相手の動きを止めてしまう、恐ろしい呪文だ。しかしダークドラゴンは意に介さず、全身でヤンに巻きついた。
「ケアルラ!」
遅ればせながらセシルが、仲間全員に回復魔法をかける。
シドはポーチから攻撃用の魔法具を取り出したが、ヤンの巻き添えを恐れてか、使いあぐねているようだ。
「カンネンスルガイイ」
ドラゴンの体が締まり、骨の砕ける音が響いた。ぐったりとしたヤンの体を振り落とし、ダークドラゴンが三度巨大な口を開く。
次は耐え切れない。思わずセシルは拳を握った。
そこへ、ひやりとした何かの感触。
見れば、シドが土のクリスタルを押し付けている。
琥珀色の宝石は、今や脈打つように黄金の光を放っていた。
『パラディンよ、クリスタルを手にするのです』
技師の太く器用な指には、ヒソヒ草も挟まっている。
それを通じて大神官の言葉と、大勢の人々の声が、セシルの元へ届けられた。
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