「え……わっ!」
襲いかかってきたのはアンデットであった。腐食し、今にも崩れ落ちそうな腕をパロムに叩きつけてくる。
咄嗟に横に飛に回避しようとするが、振り下ろされたではポロムの脇腹をかすめた。
そのままパロムはドサッと勢いよく地面に倒れ込んだ。
「大丈夫!」
「ああ……何とか。くっ!」
慌てて駆け寄るポロムを安心させるかのように口を開く。だが、ダメージを負った脇から血が流れ始めている。
「じっとしてて、結構な傷よ」
ポロムは直ぐにでも立ち上がろうとする彼の体を押さえ白魔法の詠唱に入る。
「はははーーーっ! 思ったよりも素早いのだな」
「あったりめーだよ! いつも長老に追い回されていたからな。逃げ足だけは誰にも負けねえ……ぜ…」
勇んで言葉を返すパロムだが、最後の方は言葉にならなかった。顔は青く、かなりの無茶をしている事がうかがえる。
「じっとしてるんだ、パロム。こいつは僕らで何とかする」
最終更新:2007年12月14日 04:03