三節 山間25


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 残念ながらスカルミリョーネの言葉は的を得ていた。戦局は一時は均衡状態に持ち越されたが、
不利を抱えているのは明らかにセシルたちの方だった。彼らはこうして抗戦しているうちにも、
刻一刻と体力を消耗している。その一方で、疲れを知らないアンデッドたちはじわりじわりと
着実にその距離を詰めてくるのだ。このまま続けば結果は火を見るより明らかである。
 守る二人もそのことはわかっていて、先程から慌ただしく考えを巡らせているのだが、押し迫る
緊迫の最中のためか、いっこうに策が浮かばない。隣を見るもテラの方も同様らしく、しわがれた
額に焦燥の汗が照っていた。
 セシルの額にも汗がたれ始めた。
 こうしていても埒があかない。これ以上の体力の消耗は、避けた方がいいのではないか。
そんな不安が過り、無意識の内にセシルは剣を下ろしかけていた。

(このまま続けて!)

 背後にいたポロムが、風を切るような鋭い声でそれを止めた。
(ポロム…?)
(やめないで、テラ様だけでは防ぎきれませんわ!)
(だがこのままでは勝てない! これじゃどのみち時間稼ぎにしかならないんだ!)
(そう、あいつの言う通りです。ですから、その時間稼ぎをしてください!)
(────なんだって…!?)
 目を瞬いているセシルに背を向けると、どういうわけか彼女は自分の杖をローブの懐にしまい
こんでしまうと、立ち上がりざまにパロムの肩を小突いた。
(いけるわね、パロム?)

 顔を伏せたまま、苦しそうに胸を抑えていたパロムの口の一端が、不敵に持ち上がる。

「いったいオイラを誰だと思ってんだ?」
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