三節 山間37

「二人とも頼んだ!」
セシルが指定したのは橋の途中であった。
「いいのか、あんなところに?」
半信半疑ながらもテラは魔法を撃ち込む。勿論、すぐに撃てるくらいの極小威力のものだ。
次いでパロムもその攻勢に加わる。こちらもテラと同じ魔法を放ったのだが、テラとの経験の差か
僅かに遅れての加勢となった。
「よし、後退だ」
「逃がすか!」
執拗に追跡を続けようとしたスカルミリョーネであったが、セシル達に追いつくことは
できなかった。
橋の一部が急に音を立て崩れ始めたからだ。
「何だと?」
落下せぬように残った部分を掴み、這い上がろうとするがそこが大きなスキとなった。
「よし今の内に攻撃を重ねるんだ!」
セシルの指示が響いた後、テラとパロムの魔法――今度は容赦ない程でかい威力のものが
スカルミリョーネに襲いかかる。更に、セシルの暗黒波が追い打ちを駆ける。
「何と! 計られたのか。こんな古い手段にこの私が――」
この波状攻撃にはさすがの四天王の一人としても相当なダメージがあったようだ。
「おのれ……この私が貴様らごときに……! グ……バァァーー!」
限界がきたらしくスカルミリョーネは大きく体勢を崩し、橋から落下した。
その姿はあっという間に小さくなり、眼下へと消えていった。

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最終更新:2007年12月14日 04:08
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