四節 これから11


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「は?」
片割れの兵士が疑問とも自問ともつかぬ声を上げる。
無理もないであろう。普通は叱りの声が飛んでくると思ったのだろう。しかし、実際は咎めなしどころ
か安堵に近い声を漏らしたのだから。
その上、声の調子が急に変わった事も彼を驚かせた要因の一つであった。
疑問の暇も無く、彼にはもう一つの災いが降りかかる。
急に視界が回る。
今まで町を見ていた目が、今は空を見上げている。
「これは……」
自分がヤンの足払いを受けて転ばされたと気付いたのは、地面の体が付いた後であった。
「あぐっ!」
「ヤン……様! これは一体どういうおつもりなのですか!」
痛みに呻く彼の代わりにもう一人の兵士が疑問を代弁する。
「見ての通りだ。今を持って私はバロンから抜けさせてもらう!」
「裏切るというのか!」
「そう取って貰って構わない」
「く……」
しばらく考えていたのだろうが、やがて意を決したかのように剣を抜く。
「ここで引くわけにはいかない……」
その声に呼応するかのように、救援に表れた他の兵士達も剣を抜く。
「あなたがいくら凄い実力を持とうが、今は随分と疲弊している。それにもう一人も……この数を相手に
して勝てますかな?」
見る限り兵士は五人。それも近衛兵である。
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