四節 これから22


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「かかれっ!」
小隊長の号令にあわせ、近衛兵が一斉に剣を突き出す。無言のままセシルはそれらを迎え撃った。
試練の山で授かった剣が、暗黒の力を帯びた甲冑を易々と切り裂く。血飛沫と絶叫をあげて、兵のひとりが武器を取り落とした。
背後でか細い悲鳴が上がる。ポロムの声だ、と判断するその間に、いくつか攻撃をセシルは体で受けるはめになった。しかしダメージはほとんどない。防具に込められた光の力の祝福が、闇に染まった刃の威力を大幅に削いでいる。
「はっ!」
傍らのヤンが武神に舞を奉げ、2人の兵がほとんど同時に倒れ伏した。その穴を埋めるように、後列の兵が進み出る。
それでもバロン兵は攻撃の手を緩めなかった。倒れた仲間を踏み越え、互いの身すら傷つけかねない勢いで第二波を繰り出してくる。軸足の位置をわずかにずらし、セシルが備えようとした瞬間。
「だめ~~~~~っ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
やわらかいものが膝に絡みつき、彼の動きを妨げた。振り払おうとしてその正体に思い当たり、危ういところで踏み止まる。
これはポロムだ。もう少し気付くのが遅ければ、地面に叩きつけてしまうところだった!
肝を冷やしたところで、容赦なく敵の攻撃が殺到する。両腕を、胴を、続けざまに衝撃が襲う。鎧を破られはしなかったが、息がつまり、腕が痺れる。どうにか頭部は庇いきった。思わぬ妨害に、近衛兵たちも戸惑ったのかもしれない。
感覚の戻らない腕を振り回し、目の前の敵を遠ざける。周囲を気にかける余裕が、多少なりとも生まれたのはそのあとだった。
真っ青な顔をしたパロムを足にしがみつかせたまま、血だらけになったヤンの体がぐらりと傾く様を、セシルは目の端で捉えた。
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