一節 刻む足跡6


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「何と! では、ローザも!?」
「ああ……此方の手の内だ」
カインは特に躊躇いも無く言った。まるでその事を伝えるのが目的だったように。
「何処におるっ! 無事なんだろうな……?」
「今の所はな……ただ、何時までもという訳にはいかんな……」
「なんとっ、カイン! お前それでも……あいつの事を」
突き放すようなカインの言葉に、彼の心中を理解しているシドもきつい言葉で言い返す。
「まあ、待て。未だ続きがある。いいか、トロイアという国は知ってるだろう。
其処にはまだクリスタルが残っている。ローザの命が惜しければそれと引き替えだ」
シドの言葉にもカインは平静を保っていた。少なくともセシルにはそう感じられた。
「貴様……」
「手に入れたら、また連絡に来る。ローザの身を案じるなら素直に従え」
そこまで言って、カインは身を翻した。
「待てっ! 目を覚ますのじゃ……カイン!」
「己……卑怯な!」
口々に皆が言葉を発するがカインはどれにも耳を傾けない。
「言いたい事はそれだけか? カイン……」
そんな中、今まで無言であったセシルは去ろうとするカインの背に問う。
「ああ……話す事はそれだけだ……」
カインは振り返りもせずに答えた。
「…………」
セシルは黙ってカインを見送った。
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