一節 刻む足跡11


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「はい」
「カインは生きている」
「何ですって!」
思わず叫び、副長は立ち上がる。
「それで! 今は何処に?」
「今は……」
副長は言葉を待った。
「ゴルベーザの元にいる……」
「ゴルベーザですと!」
当然ながらバロンの民もその名は知っていた。
いや、副長ほどの役職であれば、自然と耳に入ってきたであろう。
「ひょっとすると捕らわれているのですか!」
急に話された事柄に驚きつつも、副長はそう解釈した。
「いや……それが、違うんだよ」
「では……」
ごくりと息の呑んだ音がする。
「カインは、今ゴルベーザに味方している……」
「え……その、つまりは……」
副長は混乱を隠しきれないようである。無理もない。
つまりはこの国に敵対しているという事。
いつか剣を向け合う時が来る日もあると否定できない関係。
「せめて副長には話しておきたくて……」
「何故、カインさんはそんな事を?」
その事実を知った副長がまずセシルに返したのは、その可能性の否定ではなく、理由であった。
「それは僕にも……」
分からない。そう答えたかった。
そうと言えば、自分は今だに昔の自分達――三人を維持できるかもしれない。
だが、それは既に叶わない願い。知ってしまった自分には……
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