一節 刻む足跡25


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「では、お前はあの子達を見捨てるというのか!」
テラの怒りは当然だと思う。自分の意見が絶対的に正しいとも思えない。
「だけど、どうする。今長老は、祈りの塔にいる。今は待つことしかで
きないじゃないか……」
「…………」
テラは黙り込んでいた。何も言い返さないのは、言い返せないのか、はたまた
何かを考えているのか。
「ひょっとすると、長老にとっても今はとっても大事な時なのかもしれない。
あの二人の命以上に……」
「なんじゃと!」
テラは少し怒ったような声を出した。
「他にもいいやり方をあやつなら知っておるかもしれんぞ」
テラがそう返した。
何にせよ、セシルの決断は一つであった。
「悪いけど、もうこれ以上は待てない。後少ししたら、シドに発進の準備を
してもらうよ」
それだけ言い残してセシルは足を速めた。
ミシディアからバロンに向かってから、まだ数える程の日数しか経っていない。
未だに自分を受け入れない人間も多くいるだろう。
ジェシー。それに長老すらもまだ迷いがあるのだろう。そんな場所に長居をしたく
ないという考えもある。
そして、テラの前で言ったとおりの事。今、二人を救う事が本当に今の最優先事項なのか。
「人一人には出来る範囲、つまりは限界というものがある。それ以上の事をしようと
すれば何も出来なくなってしまうのではないか……」
救いきれないもの。やり切れないもの。捨て置かなければならないもの。
誰にでもそのようなものはあるのではなかろうか。
数多くの目的や願望から、僅かな一つを選ばなければならない時が
あるのかもしれない。
そして自分は何をすればいいのか。簡単に答えなんかは出ないはずだ。
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。