四節 これから32


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「王に会わせろと言ってました……」
「そうか。ふふふふ……ははははは……!」
近衛兵とベイガンの言葉には少しの沈黙があった。
その後、何が可笑しいのか急にベイガンは不気味に笑い始めた。
目前の近衛兵がその姿を異形の者を見る目つきで見るのにも気づかない程に高らかに笑い続ける。
「まさか戻ってきたとはな! いいだろう。この私が、自らに葬ってやろう……」
「ですが、奴らが此処まで来るのでしょうか?」
こんな以上なベイガンを目にしてもなおもこのような指摘を言える自分に奇妙な気持ちを抱いていた。
上手くは説明できないが、あまりにも場違いな場面に出くわすと感覚がマヒするのかもしれない。
「来るさ……絶対に。奴の事だからな」
そんな事を考えているとベイガンから答えが返ってきた。
そして、回答する本人の目線はすでに近衛兵の方を向いてはいなかった。
物思いにふけるかのように、窓の外を眺めている。
「では……私はこれで」
こんな場所に長居はしたくない。そう思い、部屋を退出しようと足早に駆け出そうとする。
ちらりと視線を外へと笑いを向けるベイガンに向ける。
「!」
そして近衛兵は足を止めた。
いや、止めさせられたといった方がいいだろうか。
自分の見間違いではないのか。
何度か自分にそう言い聞かせ、納得しようとした。しかし、何度見ても自分が戦慄したそれはは間違いない
事実であった。
不気味に笑うその人物の右腕から何かが自分を見つめている。
それはその腕の持ち主――今は背を向け表情を伺う事ができない者の感情を代弁しているものだと確信できた。
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