歩きながらティナは考えていた。
(大事な人の為に…。
でも、大事な人って、どうやって見つけたらいいのかしら…)
「真剣に考えるのはいいが、悩みすぎると思考の迷路に迷い込むぞ」
気づくと、すぐそばにエドガーが立っていた。
エドガーはティナと目が合うと、にこりと優しく微笑む。
この人なら、だすべき答えを知っているかもしれない。
ティナはエドガーにたずねた。
「エドガーは、どうしたらいいと思う?私には、やっぱりわからない…」
「今、ティナに対して、いきなり我々の希望になってくれ、
と頼む事がどれだけ酷い事かは十分承知している。
それでも、我々はティナに考えを無理強いしたりはしない。
それは帝国のやり方と何ら変わりの無い事だからな」
ただこれだけは覚えておいて欲しいんだが、と付け足してエドガーは続けた。
「ティナがたとえ戦いに加わらない道を選んだとしても、
我々は君を帝国から守る。それだけは揺らがないから、安心するといい」
「でも、もし私が逃げる方を選んだら?エドガー達は困るんでしょう?」
ティナの言葉に、エドガーは言葉につまった。
と同時に、すばやく計算をめぐらせる。
最終更新:2008年02月01日 09:40