SubStory 2 nao chora mais(6)"白"


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地面に降りたポロムと、セシルは改めて向かい合った。膝を突き、目の高さを合わせる。
「わたしたち、お役に立てませんか?」
「いいや。
 君たちの実力は何度も見せてもらったし……敵の実態が、まるでわかってないからね。
 本当のところを言うと、戦力はあればあるほどいいんだ。
 でも」
一呼吸おいて、セシルは、彼の考えうる最悪の想像を、包み隠さず打ち明けた。
「僕らが戦う相手が、魔物だけとは限らない。
 もしかしたら、兵士でもない女性や老人を、傷つけてしまうかもしれない。
 ……もちろん、僕らが全滅する可能性もある」
無論、そんな事態はなんとしても避けたい。それでも、起きた場合を考えることが今は必要だ。
ひとつの言葉が放たれるたび、ポロムは小さくうなずいた。
すべてを語りつくした後、言われたことを噛み締めるようにじっとうつむいて、それからぎゅっと拳を握った。
悩み迷うというより、それは、己の内なる誰かの声に、耳を澄ませているようだった。
だとすれば、彼女を導く声の主は誰だろう。ミシディアの長老だろうか。それともポロム自身だろうか。
あるいは──いつもいつも彼女を振り回し、引きずって、否応無しに行き先を定めてしまう、双子の弟なのだろうか。
「パロムのことは、あいつに決めさせます。
 わたしも、おともさせてください」
「……ありがとう」
幼いなりの決意を秘めた姿に、リディアの面影が重なった。波間に消えた、小さな笑顔。
「大丈夫です。長老がおっしゃっていました。
 セシルさんがパラディンになれたのは、何か大きな使命を果たすためだろうって。
 だから、きっと全部うまくいきます」
気楽にさえ響く言葉は、自らに言い聞かせるためか、セシルの不安を透かし見たか。
力強く頷く彼女は、既にいつものしっかり者の顔をしていた。
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