六節 双肩の意志16


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と、そのシドの前に小さな影がよぎる。
「おっちゃんがシドか。俺たち飛空挺に乗れるのか?」
「お……おう。もちろんじゃ!」
元気な問いかけにシドはちょっとばかり慌てたが、すぐにいつものような威勢で返答する。
「あの……初めまして。私、ポロムと言います。こっちは弟のパロム……」
そこまで言って、今度はパロムの方を向いて言った。
「挨拶くらいしないさい。いきなり話しかけるとびっくりするじゃない!」
「へん。何良い子ぶってんだよ! お前は飛空挺に乗れるのが楽しみじゃないのか?」
バロン到着時、セシルから聞いた話に出てきた、天翔る船、飛空挺。子供達の興味を引きつけるには
充分すぎるものであった。
それの創設者たる人物が目前にいるのだ。自ずと心躍るのだろう。
「そりゃ……」
「そうだろ!」
「ですけど! きちんと――」
続く、二人の会話を見て、シドが笑った。
「わかった。わかった。もういいぞ」
その顔には最前までの重苦しさが緩和され、以前のような穏やかな陰りが見え隠れしている。
「早く来い! すぐにでも乗せてやるぞ!」
「本当かっ! やったあ!」
その報はパロムに並々ならぬ喜びを与えたようであった。
足取り軽く、パロムは真っ先に駆け出した。
「ちょっと……」
そう言いつつもポロムも嬉しいようで、慌てて後を追った。
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