五節 忠誠と野心18

地下牢は散在して壁に、備え置かれた松明の光が通路を照らしている。
それはまるで、誰かを迎え入れているようであった。
そして、看守として宛われた見張りの兵士は今では珍しくなってしまった人間の兵であった。
本来ならばこのような場所はもっと厳重にしておくに越した事はないのだが、バロン王は
反抗勢力を大多数を処分してしまっていた。
今現在、この場所に閉じこめられているのは比較的、王の逆鱗をかわなかったもの、
又は殺してしまうには惜しいと思われた者だけである。
最も、そんな者は少数派ではあった為、牢獄が満員になる事は無かった。
彼らにとって下手な脱獄は折角、処刑を免れた命を下手に捨ててしまうようなものだ。
脱獄を試みた者はいない。唯一人を除いては……

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最終更新:2008年08月24日 09:57
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