五節 忠誠と野心25


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「では!」
そこから先に発せられる言葉に、嫌な予感を感じ取ってか、声色には自然と力が入る。
「いえ……処分はされていないんですよ」
自分よりも一回りは大きいであろうヤンに迫られ、青年は少しおどけつつ、彼の抱く懸念を否定した。
「この先、少し行った先に……閉じこめられています」
「そうか、では……」
歩き始めようとしたヤンに、未だに立ちつくしているテラが、目に入った。
「行きましょう……」
その様子にそれ以上の促しは困難であった。
「ああ……」
そう言って、僅かに後ろにいる魔導士達を見ると、静かに歩き出した。
「あの!」
その一人が呼び止める。
「いくら、変わろうともテラ様はテラ様です……私達はあなたにどんな事情があろうと、
あなたを信じます。それが、自分達が間違えていても……」
「…………」
テラは無言であった。
それは彼らにしてみれば精一杯の励ましではあったし、その事に対しても深く、感慨を受けたテラであった。
だが、それに増す勢いで罪というのか、後悔意識が――彼らにそこまでの気概を抱かせた自身の中に募っていった。
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