かなり真面目にFFをノベライズしてみる@ まとめウィキ
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かなり真面目にFFをノベライズしてみる@ まとめウィキ
ja
2021-09-24T23:47:02+09:00
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決戦8
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1232.html
月の地下渓谷、自然の岩場をくり抜いたようにつくった洞窟状を進んでい行くと景色は一変
開けた場所にやってくると急な明るさがセシルを襲った。
今までの薄闇を照らしていた松明も照明魔法も必要ないほどの明るさ
道行く道も地面一体がクリスタル状の通路で埋め尽くされていた
「カインの言った通りだったね」
月での時間の概念はわからないが、昨夜――セシル達の野営地へカインが帰ってきたのは、皆が寝静まってからほどなくしての事であった。
(向かったところに明るい場所がある)そんな事をいっていた。
「フッ……決戦が近いという事だな」
「へへっ……今までに比べて明るいって事はもうあんなに迷わなくていいって事だぜ!」
ここまでの地下へ向かう道は薄暗闇が支配し、幾多もの隠し通路に迷わされてきた。
見るとこの場所はクリスタルの通路は規則正しく作られた階段が結び、最深部へと案内しているようだ。
「ここに月の民のみんなは眠っているのかな……あのフースーヤおじいちゃんの仲間達が?」
透明なクリスタルの通路からは微かに最深部へと向かう深淵がのぞいて見えた。
「みんな油断はしないでね」
皆の傷の癒し手であるローザが仲間達に注意を促す。その言葉は何よりもここにいる五人を安心させ、士気を高めた。
慎重なセシル達の前に何かが転移されていく。
「顔?」
徐々に姿を現すそれは一つの顔――読んで字のごとく「顔」だけであった。
「最深部マデヨウコソ? アナタ方は我々のご客人ですか?」
やや籠っていたがその声は機械から発せられた声であった。録音したものなのだろうか
? やや人間味を感じさせる声である。
その「顔」は全体で数m、セシル達が見上げるほどの大きさである。表情に敵意は見えない。
「ワタシはフェイズ――ここは我々の仲間が眠る場所……ナニヨウで」
「僕たちは――」
消耗という意味でもあまり戦いたくはないが
「お願いしても無理そうだよね?」
「返答ナシ。侵入者とみなして排除シマス」
「顔」が駆動音を上げる。既に皆戦いの準備はしていた。
「魔法障壁――リフレクを展開シマス。目標を確認排除します」
顔の――フェイズの口が開き、侵入者を排除するためのの透過レーザーを発射する。
「追撃――魔法攻撃にハイリマス」
やはり、交戦は避けられそうにもない。
顔、フェイズと
2021-09-24T23:47:02+09:00
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決戦7
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1231.html
「リディアを育ててくれた幻獣界にいっただろう」
地底世界での一幕。ふと立ち寄った彼女の故郷。人間とは強く関わりを持とうとしない幻獣たちであったが、リディアが帰ってきたものだとわかると
幻獣王はその力を貸すとともにセシル達を歓迎の姿勢で迎え入れた。
宴とともに沢山の餞別を貰った。回復薬や魔道具といった実用的なものから幻獣たちのささやかな気持ちの込められた記念的なものなどさまざまな内容であった。
その中に「鼠のしっぽ」とよばれるアイテムがあった。魔力を込められた鼠の尻尾。一説によると勇気の証とも呼ばれている。
それは一見セシル達には無用の長物とすら思えた。
「アガルトにいっただろう。その尻尾ほしがる人がいたんだよ」
その話はリディアにも覚えがった。
「あの小人のおじさん」
ミスリル鉱石の発掘などで栄える小人たちの島。その小さな島の離れ小島にある一際小さな島。
アガルト地方に存在する鉱山の中でも危険とされるアダマン鉱石のとれる島には貴重なアダマンタイト鉱石を発掘して息巻いている小人の男がいた。
その鉱石を独占せんとばかりに周りから人を追い出していた男であったがセシルの持つねずみの尻尾をみるやいなや譲ってくれと懇願してきた。
尻尾を特に必要ないと思ったセシルはこれに応じると男はアダマン鉱石を僅かであったがセシルにくれたのである。
去り際に男の娘とおぼしき小人の女性が教えてくれた。
(お父さんはね、珍しい尻尾を集めているの。また見つけたら持ってきてあげてね。そうね……今はピンクの尻尾っていうのが一番欲しいみたいよ)
「よい娘さんだったし、面白い親子だったな……ピンクの尻尾、もし見つけたら持って行ってあげないとね」
微笑しながら話すセシルはいつもの生真面目さがどこか抜けていた、どうやらセシルにとってアダマン島はとても気に入った場所のようであった。
「だからリディア。この剣には、今や父さんだけじゃない地上の……地底……幻獣たち、そしてあらゆる種族の想いがこめられているんだよ」
鞘をぎゅっと握り、感傷に浸るセシル。
「僕はパラディンとして、この剣に懸けて仲間を守ってみせる」
「セシル……」
暖と灯かりを兼ねた焚き火が二人を照らしている。かつての記憶がよみがえる
「あの時、ダムシアンで初めて野営した時を思い出すね……テラと一緒だった」
自
2021-09-24T23:46:45+09:00
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決戦6
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1230.html
ゼムスへと続く道は月の民の作った人造的な水晶宮から一転、ここまでに通ってきた
月の洞窟や山岳に近い、洞窟状の場所であった。
しかし地下深く続くその道のりは果てしなく長い、下へ下へ進む最中に覗いてみたところ底知れぬ闇が広がっているだけであった。
作戦は一刻をあらそうが消耗も激しい、幸運にも道中に身体を休める結界が張られている小部屋を見つけることができた。
結界内部にコテージを二つ張った。一つはセシル達男性陣、もう一つはローザとリディアのためのものだ。
片方のコテージからリディアが小さな姿を現す。
「リディアか。ローザはもう眠った?」
「あっ……うん」
月のクリスタルに道行かれたどり着いた中心核への道は、やはり激戦が待ち構えていた。
魔物の数も強さもこれまでとは比較にならないものであった。その中でメンバーの傷をいやすのは白魔道士であるローザである。
(ローザについてきてもらってよかった)
改めて彼女に感謝した。
(疲れているだろう……そっとしておこう)
彼女の眠るであろうコテージを一瞥しつつ、労いの言葉を心の中に留めておいた。
「カインは?」
コテージを張るやいなや、すぐさま眠ってしまったエッジの事は知っているのだろう。セシルのほかにもう一人、ここにいない人物の名を呼ぶリディア。
「この先まで行って見回りしてくるって言ってたよ……」
結界の小部屋の出口へ顔を向ける。結界の外、黒い深淵の先は数多くの魔物が闊歩する。
「そうなんだ」
相槌をうつリディア。セシルとローザの所にカインはなるべくここにはいたくないのだろう。リディアの頭はそんな考えがよふぎっていた。
もちろん、ここまでの道中は一緒に戦ってきたし、何か裏があるとも思わなかった。しかし今のセシルとローザの二人に対して
素直に一緒にいる事はできないのか。セシルは気づいているのだろうか?
「そういえばセシル。その剣は――?」
重い空気を打ち消そうとしてリディアは話題をかえる。セシルの腰の剣に眼をとめる。
「ああ、これはエクスカリバー。鍛冶屋ククロが僕の剣を鍛えてくれたんだ」
セシルがパラディンとしての道を歩み始めた時、父の声と共に自らに降ってきた聖なる剣。ミシディアに伝わる言い伝えを残した伝説の剣。
やや古ぼけたその剣が随分と立派な装飾と眩しい輝きを強くしていた。
「腕
2021-09-24T23:46:19+09:00
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決戦5
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1229.html
月世界の洞窟や山岳、クレーターを超えてたどり着いた、月の民の館は以前となんら変わらぬ静けさを保っていた。
「誰もいない」
以前フースーヤと出会った台座もがらんどうであった。
「フースーヤ達もここへきたのかな?」
「間違いないと思う」
静かすぎるこの場所にいささか拍子抜けしたのかリディアが疑問を振る。
月の中心にそびえたつ水晶造りの巨大な塔、ここには遥か昔に帰る星を失った月の民が眠っている。
そして蒼き星の混乱を招いたゼムス自身も彼ら月の民によって封印されている。
フースーヤ達がここからゼムスのもとにいったのだ。セシルは確信していた。
「奥は行ったのか?」
台座の奥を見ると水晶状でつくられた幅の広い階段が伸びている。
「行ってみよう」
敵の気配は感じなかったのだろう、戦闘時の隊列を考えず先頭を切って階段を上っていく。
これは!
階段を上った上の階には、下の階と同じクリスタルを並べる台座がいくつも鎮座していた。
「月のクリスタルか」
台座の数は丁度八つ。青き星の地上と地底、それぞれのクリスタルを合わせた数と同じ数存在している。
(我々は月のクリスタル)
部屋に入った途端、セシルの頭に何者かの声が語り掛けてくる。
「!」
「なんだぁこの声は」
エッジが耳に手を当て叫ぶ。どうやら仲間達も同じ声が聞こえているらしく各々が不思議な表情をしている。
(青き星に置かれた八つのクリスタルとのバランスで、この月は維持されている)
(月の民たちは、この大地の中で深い眠りについている)
(我ら八つのクリスタルがゼムスを封じ込めている)
性別も年齢もわからないといった感じの不思議な声が各々のクリスタルから聞こえてくる。
敵意はない。むしろセシル達を歓迎しているといった様子だ。
「フースーヤはどこに?」
その様子を見て、今度はこちらから質問をする。
(バブイルの巨人が破壊されフースーヤとクルーヤの息子が中に入っていきました)
「やはり」
バブイルの次元エレベータはこの月の民の館に直結していたのだろう。
既にフースーヤは大分、先に向かったようだ。
(ゼムスの封印が弱くなっています。じきに完全に力を取り戻すでしょう。そうなれば我々クリスタルも、この館で眠る月の民
達もただではすまないでしょう)
フースーヤ達の安否としても月や青き
2021-09-24T23:45:55+09:00
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決戦4
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1228.html
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セシルが目を覚ますと魔導船は目的地である月へと到着していた。
休憩室へも中継されている外部モニターは薄暗い闇の宇宙ではなく乾いた銀色の大地を一面に映している。
既にこの部屋にはセシルしかいない。エッジも先に向かったのだろう。
「行くぞ!」
自動扉を開け放ちクリスタルの鎮座するメインブリッジへと向かう、エッジの姿を確認するやいなや、セシルは一言強く言い放った。
そのままエッジを追い越し、魔導船の乗降口へと向かう。既に月の大地への着陸は完了し、この船と月を結ぶタラップは展開されていた。
「!」
出口へと向かうタラップ付近にはカインが静かに腕組みをして待っていた。
しかしその後に起こった出来事はセシルを驚かせた。
外のタラップから静かに歩いてくる一つの影、その人物の事をセシルは見間違う事はなかった。
「ローザ!」
その息使いや表情などは間違いなく幻覚や化けて出たものではない。蒼き星で別れた彼女そのもので間違いない。
「…………」
思ったよりも早く再会した彼女はただ静かに無言を貫き、セシルの事を微動だにせずに見つめている。
「そこを退くんだ……」
一度決めたこと、今更撤回などするわけがない。即座にその考えを言葉にしてローザへと突きつけるセシル。
「いやよ」
彼女の口が開いた。
「いやよ! 私も連れて行ってくれなき、ここを退かないわ」
「何を……」
地上で静かに別れた彼女からは予想もつかなかった反論の声。それはいつもと違う、セシルの知らない彼女の反応であった。
「あなたの側にいられるなら、どうなっても……」
少し俯き、手のひらを胸にもっていき小さな声で話す。ローザはさらに続ける。
「いいえ、あなたと一緒にならどんな危険なことだって……!」
今度は前を向き、セシルへと向かって歩き出すローザ。
「ローザ……」
彼女はいつも自分を想っていてくれた、そして自分の役に立ちたいと思い白魔道士として魔法を極めた。
いつだって危険を顧みずに自分のところにかけつけてくれた。
(あの程度の事で彼女は引き下がらないんだな)
静かに何も言わなかったのはローザも同じく悩んでいたのだろう、彼女も足手まといになるのではないかと。
「私がいなければ回復はどうするの」
しかし今は自分の役割でセシルの役に立ちたいとはっきりと言葉を向け
2021-09-19T20:11:59+09:00
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決戦3
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1227.html
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自分も似たような気持ちだ。しかし――
腰に掛けた聖剣の鞘にそっと手をかけセシルは一人思考する。
この判断は間違っていない……なんとか自分に言い聞かせる
この期に及んで自分はまだ嘘をついているのだろうか?
「セシル、エッジ」
三人旅の悩みが支配する空間を打破したのは竜騎士の言葉。
「俺が言うのもおかしな話かもしれない……しかしお前達の判断は間違っていると俺は思わない」
寡黙なカインがいつになく饒舌な台詞を吐く。普段とは状況が逆転してるようだ。
「悩みは今後の戦いの士気にもかかわる」
「まさかお前に……カインに説教されるとはな――」
先ほどから落ち着かない風に船内のあちこちに所在を置いていたエッジがカインを向く。
「確かにその通りだな! それにあの時が別れになるわけじゃねえ。俺達が生きて帰れば、またリディア達には会えるわけだしな!」
「その通りだ」
少し元気を取り戻し、いつもの調子が戻ってきたエッジの意見をカインは肯定する。
「その為には万全の態勢で戦いに挑む必要がある。月まではまだまだ到着に時間がかかる、少しでも
休んで体を回復するべきだろう」
その言葉に同意をするようにエッジは船内の後方に備え付けられた休憩室へと足を進める。
「お前も休んだ方がいい、セシル」
その様子を見送った後、旧知の親友であるセシルにも言葉を向ける。
「カインはどうする」
「俺は所持品の確認をしておく、ローザもリディアもいないのだ。回復薬もアイテムもたくさん必要だろう」
準備は俺に任せて後は休め。カインの気遣いは旅立ちの前のバロンの言葉を思いださせた。
「ありがとうカイン」
今は彼の善意に甘えることにしよう。セシルも休憩室へ向かって歩き出した。
(今度こそ本当に最後の戦いになる)
地上での戦いとは違い、月には正真正銘の最後の決戦が待っている。
その為には体調を整える事も立派な戦術であろう。ましてや今は静かな宇宙の航海の真っただ中なのだ。
(こんなにゆっくりできるのはこれが最後かもしれない)
道中にテントやコテージを使用できる場所はあるかもしれないが確実ではない。
たとえ存在していたとしても敵襲の警戒はしなければならない。
休憩室の扉をくぐると、エッジの様子も確認せずに、開いていた機械のベッドへともぐりこむ。
あなたにもしも
2021-09-19T20:11:32+09:00
1632049892
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決戦2
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1226.html
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一時間後――
ミシディア近くの山脈に隠れるように停泊していた魔導船が飛び立った。
「これでよかったのか?」
月面船に乗り込むのはセシル、カイン、エッジの三人だけだ。
この中では一番の寡黙であるはずのカインが二人に問いかけた。
「ああ……」
ゴルベーザ達を追いかけて月のゼムスの決戦へと赴く。そのためにはここにいる三人だけで十分である。
あの日――カインと再び一緒に戦うと決めた日にそう判断したのはセシルだ。
(ローザとリディアは残るんだ)
月へ向かうと決意したセシルはその後すぐにそう決断した。その時の言葉が頭で反芻される。
(僕ら三人だけで行く。 今度ばかりは生きて帰れる保証は無い!)
兄さんはゴルベーザは死を覚悟して月へ行った。それは贖罪のつもりであるのは間違いない。
しかしそれ以上にゼムスの力が強いのもあるだろうみすみす殺されに行くゴルベーザではないだろう。
戦いは今以上に激しくなる――
カインもこの事に異を唱えなかった。セシルとは同意見だったのだろう。
「そんな!」とセシルの判断にリディアはすぐに頬を膨らませた。ローザも不安と驚き交じりでセシルを見つめていた。
それは完全に納得はしていないという表情であった。
(さ、ガキはいい子で お留守番だ。)
(バカっ!!)
そんなリディアを言い聞かせたのはエッジであった。
子供扱いし、半ば強引に突き放すような言葉。この言葉にリディアは拗ねてしまい、そのまま月面船から駆け出してしまった。
理解してくれとセシルも無言でローザの顔を見つめた。ローザは何も言わずにゆっくりと立ち去ってしまった。
消え入るような儚さの背中は段々と小さくなり、セシルの視界から消滅した。
お別れだ――
ふいにセシルにそんな気持ちがよぎった。
「ほかのやつらにはあまり話さず来てしまったな」
未だに心に鮮明に残っているローザとの別れの記憶。
脳裏に何度もよみがえらせているセシルを現実へ引き戻すのはエッジの声。
飛び立つ魔導船のモニターは離れていく大地を画面に映している。それを眺めながらの一言。
この旅立ちの時、セシル達はミシディア長老へと一言伝えただけであった。
「ヤンもギルバートもシドもまだ完全に回復していないんだ」
「シドならこの事を話すと強引にでもついてきそうだけどな」
エッ
2021-09-19T20:10:50+09:00
1632049850
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決戦1
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1225.html
ミシディアの魔道士の朝は早い。
「ふああぁぁ……」
寝ぼけ眼をこすり、欠伸をしながらパロムが朝のミシディアを歩く。
「ポロムのやつはもう修行を始めてんだろうな……」
もやっと思考で考える少年
巨人との闘いは終わり、そして世界は平和をとりもどした。
そして戻ってくる日常……
「いつもと変わらない修行の日々……」
ミシディアの長老の元行われている魔法修行。
石化が解けるや否やすぐさま再開されたのだ。
(とはいえだいぶ休んでいたからな……)
ミシディアの魔道士としての修行を怠る気持ちはパロムには当然存在しない。
生真面目なポロムや長老の方針がパロムの性格上、合致しないときがあるだけだ。
「あんちゃん達は今日、出発するんだろうか……おいらも行きたかったんだがな」
戦いは終わった。多くの人間はそう思っていた。
「実際みんなもうあの巨人の後始末を始めてるくらいだしな」
半壊し機能を停止したバブイルの巨人は未だにエブラーナ近辺にたたずんでいる。
しかし、いつまでもそんなものを置いておくほどこの星の人々は悪趣味でない。
各国が躍起になって後始末を始めている。
「本当に戦いは終わった。でも……」
空を見る。既に夜明けを迎えたこの朝日に月は見えない。
「セシルのあんちゃん達は戦いにいくんだ」
月にこの戦いの黒幕のゼムスが眠っている。
この話は多くの人には内密になっていた。実際にパロムも最初は教えてもらえなかった。
偶然にも長老とセシルの会話を聞いてしまったから、知ることができた。
「しっかし本当に行くのかな……」
最初はパロムも自分もいくと我儘を言った、しかしセシルの話を聞いて残ることににした。
「でも……たった3人で……」
いつもなら自分も反対して食い下がっただろう。だがその時のセシルの鬼気迫る表情がパロムの引き下がらせた。
「ローザ、早く早くっ!」
子供であるポロムに負けない無邪気な声。それが一気にパロムを眠気を吹っ飛ばした。
「リディア。そんなに急がなくても」
「駄目駄目っ! そんなんじゃみつかっちゃう!」
まだ活動を完全に始めていない街を勢いよく走る緑髪の少女、それを追いかける一人の女性。
「あれはローザだよな?」
もう一人は――
「パロム!」
先頭を走る少女がポロムの名を呼ぶ
「この事は誰にも内緒だか
2021-09-19T20:10:23+09:00
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FF4 最終章
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1224.html
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[[決戦1]]
[[決戦2]]
[[決戦3]]
[[決戦4]]
[[決戦5]]
[[決戦6]]
[[決戦7]]
[[決戦8]]
2021-09-24T23:45:11+09:00
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悪夢の崩壊8
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1223.html
無事小型飛空艇で脱出したセシル達は一直線に月面船へと帰還した。
巨人までに助けてくれた仲間達の感謝の気持ちを述べたい気持ちもあったが
カインを皆の前につれていくことは難しいと思ったからだ。
「やっと自分の心を取り戻すことが出来た……今更許してくれとは言わんが……」
月面船にはセシルとローザ、リディア、そしてエッジと巨人突入メンバーしかいない。
「当たりめーだ! てめえのせいで巨人が現れたも同然だ!」
四人とは対面に立つカインに喰ってかかるのはエッジだ。
彼の言うことはもっともでありそれはカインも否定しないだろう。
またこの反応が普通であることもわかった
(やはり皆のところにカインを連れて行かなくてよかった……)
真っ先に月面船に向かった判断は間違いでなかったようだ。
「やめて!」
そんなエッジを窘めるのはローザだ。
「ローザ……」
エッジからかばうようにカインの前に立つその姿にはカイン自身も驚いているようだ。
「ゴルベーザも正気に戻ったので、術が解けたのよ! カインのせいじゃないわ!」
ここにいるメンバーは巨人内部、ゴルベーザの豹変っぷりをみていた。
ローザの言葉はカイン自体が正気に戻った事への説得力をもたせるには十分であった。
「やはり、ゴルベーザも操られていたのか?」
今度はカインが質問をする。
「カイン知っていたのか?」
「巨人内部のお前たちの会話を聞かせてもらった……聞くつもりはなかったのだが……」
「ゼムスという月の民がゴルベーザの月の民の血を利用していたらしいの……」
「それでゴルベーザはゼムスを倒しに、フースーヤと月に向かったの」
リディアが視線を上向きに挙げる。もっともここからは月を見る事のできないが。
「黒幕はゼムスか……ならば俺もそのゼムスとやらにかりをかえさねばならんようだな」
「カイン!」
その言葉がかつての自分の知るカインである事への確信に変わったのだろう
ローザの表情は明るくなる。
「ゴルベーザはバブイルの次元エレベータを使ったのだろう。この船は月とやらには行けるのか?」
「まーた操られたりしなきけりゃいいんだがな。」
既にゼムスとの闘いへの準備の算段を始めるカインにエッジが皮肉交じりの一言をかえす。
「その時は遠慮なく 俺を斬るがいい!」
そんなエッジのまえに立ち覚悟を見
2021-09-18T21:29:14+09:00
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