全頭亜綱(ぜんとうあこう、Holocephali)とは軟骨魚綱(Chondrichthyes)の下位分類群で、ギンザメ目のただ一目で構成される。
鰓裂(外鰓孔、がいさいこう)を一対しかもたず、頭が大きく尾部は細長い。後端はムチ状になる。
背鰭の前に1本の棘を有し、毒腺がある。胸鰭は大きい。
軟骨魚類の中で、古くにサメやエイと別れてできたグループである。
年代は定かではないが、古生代デボン紀には全頭類の化石が見つかっていることから、それより以前であると考えられる。
現生種の成体では鱗は消失し、皮膚は粘膜で覆われるのみである。
それに対し絶滅種の多くはサメのような楯鱗(じゅんりん)を有する。
雄は頭部に多数の棘が密生した器官を持ち、クラスパー(雄性生殖器)と共に生殖行動に用いられる。
・鰓裂(外鰓孔、がいさいこう)を一対しかもたない。
・頭は大きい。
・尾部は細長い。
・後端はムチ状になる。
・胸鰭は大きい。
・背鰭の前に1本の棘を有し、毒腺がある。
・鱗はなく、体表は粘液に覆われる。
25種類ほどが知られている。代表種は、ギンザメ(Chimaera phantasma)など。
by 大佐