深海魚

深海魚

深海魚(しんかいぎょ、英:Deep seafish)とは、深海に生息する魚類の総称。
成長過程での生活深度の変化や、エサを捕食するために大きく垂直移動をする種類もいるため、
「深海魚」という用語に正確な定義はない。
一般的には200メートルよりも深い場所で生活する魚を呼ぶ場合が多い。



目次
1.身体構造
 1-1.発光
 1-2.眼球
2.捕食
3.繁殖行動


身体構造

深海の高水圧、低水温という極限ともいえる状態の環境に適応するため、
浅海の魚類には見られない特殊な身体構造をしている。

発光

深海魚には生物発光をする種類が多くいる。
なぜ光るのかは種類によって様々な理由があると言われているが、だいたい以下のようなことだと言われている。
 ・エサになるものをおびきよせるため
 ・防衛のため
 ・カモフラージュのため
 ・仲間とのコミュニケーションのため

眼球

海水の透明度にもよるが、水深1,000メートル位まではかろうじて日光が届くので、
この領域に生息する深海魚には非常に大きな眼球をもつ種類がいる。
深海では散乱と屈折のため、光は常に真上から降り注ぎ、日没まで光の量の変化も少ない。
そのことから、管状眼をもつ殆どの種類の目は真上を向いている。


捕食について

深海魚の捕食行動には、深海の環境に適応した独特の様式が度々見られる。
昼間は深海に住む魚が、夜間にエサを求めて浅海に移動することを日周鉛直移動と呼び、
深海魚だけではなく、動物プランクトンサクラエビなどの多くの深海生物がこの移動を行う。

アンコウ目の魚類の頭部から出ている突起を、誘引突起(イリシウム)と呼ぶ。
先端部分を擬餌状体と言い、アンコウは擬餌状体をエサの様に動かして獲物をおびきよせる。


繁殖行動

深海では生息範囲と個体数の問題から、繁殖の機会が浅海よりも少ない。
出会いが少ない環境でも効率よく繁殖を行うために、深海魚には様々な繁殖行動の適応が見られる。
雌雄同体であれば、2匹が出会いさえすれば繁殖できる。

雌に比べて雄が極端に小さい矮雄(わいゆう)は、
当初自由生活を送っている雄は、雌を見付けると腹部に食いつき、寄生生活を始める。
永続的に寄生する種類のものと、交尾時の短期間のみの付着にとどまる種類がいる。

また、深海魚の中には、成長にともない雄から雌へと性転換する種類もいる。


作者:黒

最終更新:2008年08月21日 23:40
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