ハト

ハト(鳩)

ここではハトについて紹介していこうと思います。

ハトとは

ハト目ハト科の総称。日本にはアオバト、カラスバト、キジバド、シラコバト、ドバトなどがいる。
寿命は10~20年ほどで環境状態さえそろえば年7、8回の繁殖が可能である。雑食。
平和の象徴というイメージが一般的だが軍事利用されていた事もある。
首を振って走る「首振り歩行」も特徴的である。
ハトの名前は羽音の「ハタハタ」という音から来てるといわれている。

ハトの文化

軍事利用として

カワラバトを改良したドバトは、戦前・戦中の軍事用、戦後の一時期には報道用に伝書鳩として大いに活用された。
地磁気などにより方角を知る能力に優れているとされ、帰巣本能があるため
遠隔地まで連れて行ったハトに手紙などを持たせて放つ事によって、情報をいち早く伝えようとしたのである。
デンショバトは500~1000kmの距離を帰巣する能力を持っており、これについては
太陽コンパス説、 磁力説、視力説等の多くの学説があるが、まだ十分に解明されておらず、 定説はない。

ハトのお話

ハトは、その群れを成す性質から、オリーブと共に平和の象徴とされることもしばしばである。
これは旧約聖書のノアの方舟の伝説にも関係している。ノアは47日目にカラスを放ったがまだ水が乾く前であったからすぐに戻ってきたハトを放ったところ
オリーブの葉を咥えて戻ってきた。これによりノアは水が引き始めたことを知ったと言う。
また、ギリシア神話においてハトは、愛と美の女神アプロディーテーの聖鳥とされていた他
イーアソーンを始めとする英雄たち(アルゴナウタイ)が乗るアルゴー船が、互いに離れたりぶつかり合ったりを繰り返す二つの巨岩シュムプレーガデスの間を通り抜ける際
試しにハトを通り抜けさせて安全を確認するエピソードや、狩人オーリーオーンがプレイアデス(巨神アトラースの七人娘たち)を追い回した際
それを不憫に思った主神ゼウスが彼女たちをハトに変え、更に星へと変えたエピソード等が存在する。
日本では、神社のおつかいとして(八幡さまのハトといわれるように)いにしえより親しまれてきたが、八幡様は戦の神様で
かならずしも平和とは直接結びつかなかった。戦後西洋的価値観が入ってきて、タバコのピースのデザインのようにハト=平和のシンボルと言うイメージが定着した。
中国では鳥を放つと幸運が訪れるという民間信仰があり、祭事・祝い事の際にはハトを放つ習慣があったが
現在では都市部でハトが繁殖してしまっているため、放鳥が禁止されている地域もある。

首振り歩行

ハトは歩行時に首を前後に振りながら歩くことで知られている。この動作はハト科以外の多くの鳥でも見られるが
ハト(特にドバト)は、警戒心が非常に弱く、歩いている状態で身近に見かける機会が多いため、多くの人々から「首を振る鳥」として認知されている。
この首振り歩行は、暗闇や、ベルトコンベア上を逆向きに歩かせたときは行われず
胴体が前進しているときでも頭部だけはなるべく長時間にわたって空間内で静止するよう首を前後させているため
視覚情報(あるいは聴覚、平衡感覚なども)を安定して得られるように行われているものと考えられている。
また、首振りのタイミングは、体重を片脚で支えている間も重心が安定する位置に来るようになっている。
それゆえに「安定して歩行するため」という説もあるが、ハトも高速での歩行時では首振りを行わないため、やや疑わしい。

ハトの歩行を連続写真に収めてみると見えてくることがある。まず、首を伸ばすときには後についた足で地面を蹴り
片足立ちのときには、首を縮めて頭部を空間的に静止させている。
このような歩き方をすると、歩行の効率と安定性が高まる。
片方の足で地面を蹴ると、左右に体が揺れたり回転したりする。
そこで、地面を蹴るときに首を勢いよく伸ばして進行方向の運動に勢いをつけると、揺れや回転を小さくすることができる。
片足立ちのときに頭を静止させていることも、安定性を高める効果がある。
なぜなら、頭には視覚や平衡感覚器である、目と内耳の三半規管があるからである。
頭が安定すると、これらの平衡感覚器への情報入力が正確になり、体のバランスを取りやすくなるからだ。
歩行と首振りの関係は詳しく言えばもっと複雑だが、単純にはこのような理由によって、首振りは歩行の安定性と効率を高めると考えられる。

最終更新:2008年08月21日 13:29
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