コウモリ(蝙蝠)は脊椎動物亜門 哺乳綱 コウモリ目に属する動物の総称である。
別名に天鼠(てんそ)、飛鼠(ひそ)がある。
かつては「カワホリ(カハホリ)」と発音されていたが、転じて「コウモリ」となった。
大きく分けて小型コウモリと大型コウモリに分類され、総種類は1000種を超える哺乳類最大の生物である。
コウモリ目は翼手目(よくしゅもく)ともいう。
コウモリ | |
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ウサギコウモリ |
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分類 | |
界 | 動物界 |
門 | 脊椎動物門 |
亜門 | 脊椎動物亜問 |
綱 | 哺乳綱 |
目 | コウモリ目(翼手目) |
目次 |
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1.分布 2.形態 3.生態 4.絶滅の危機 |
極地以外の世界中に生息している。
日本には約35種類が生息していて、これは日本に生息する陸生哺乳類約100種類の3分の1にあたる。
このうち、オオコウモリ類は熱帯性で、小笠原諸島と琉球列島にのみ分布する。
コウモリの一番の特徴は、翼をもち、飛行できることである。
多くの鳥類と同様、はばたくことによって飛行するが、鳥類の翼と異なり、
コウモリの翼は飛膜と呼ばれる伸縮性のある膜でできている。
また、モモンガやムササビなど、哺乳動物の中にも空を飛ぶ種も存在するが、
翼を持ち空を飛ぶ哺乳動物はコウモリだけである。
一般にコウモリと言えば西洋では吸血鬼につながるイメージがあるが、
実際に他の動物の血を吸う種は極わずかであり、大抵は植物や虫を食べる。
コウモリ目は、オオコウモリ亜目(大翼手亜目)とコウモリ亜目(小翼手亜目)の2亜目に分類される。
オオコウモリ亜目はその名のとおり大型のコウモリの仲間で、オオコウモリ科の1科のみが属する。
中には翼を広げた幅が2mに達する種もある。
コウモリ亜目は小型のコウモリの仲間で、17科が属し、多くの種に分かれている。
多くが食虫性であるが、植物食、肉食、血液食など、さまざまな食性の種がいる。
コウモリ亜目の特徴は、エコーロケーション(エコロケーション、反響定位)をすることである。
超音波を発し、その反響を検知することで、飛行中に障害物を避けたり、獲物である昆虫等を見つけたりす ることができる。
オオコウモリ亜目のほとんどの種はエコーロケーションを行わないが、
例外的に洞窟性のルーセットオオコウモリの仲間はエコーロケーションを行う。
総種類約1000種のコウモリだが、個々の種についれみれば個体数が少ないと判定されているものもあ
り、
多くの種がレッドデータブック(環境省版)入りとなっている。
特に森林性のコウモリについては、生活の場である広葉樹林や、住処となる樹洞ができるような巨木が極
めて減少しているため
生息環境そのものが破壊されていることが、大きな問題となっている。
作者:黒