ヒツジ(羊)は、脊椎動物門 哺乳綱 ウシ目 ウシ科 ヤギ亜目の動物。
角を持ち、主に羊毛のために飼育される家畜。
西アジアや中央アジアに生息していた野生のヒツジを、今から1万年以上も前に家畜として飼い慣らしたのが、
ヒツジを家畜として飼育をする始まりと考えられている。
ヒツジ | |
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分類 | |
界 | 動物界 |
門 | 脊椎動物門 |
亜門 | 脊椎動物亜門 |
綱 | 哺乳綱 |
目 | ウシ目 |
科 | ウシ科 |
亜科 | ヤギ亜目 |
族 | Ovis |
属 | aries |
目次 |
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1.形態 2.生態 3.喧嘩 4.肉の利用 5.人間との関係 |
ヒツジは比較的小さい反芻動物で、側頭部のらせん形の角と、羊毛と呼ばれるフカフカの毛を持つ。
反芻とは、まず食物(通常は植物)を口で咀嚼し、胃に送って部分的に消化した後、
再び口に戻して咀嚼する、という過程を繰り返すことで食物を消化することである。
反芻をする動物を反芻動物という。
偶蹄類で、爪が2つに分かれている。
品種によって、ヒツジはまったく角をもたないものも、野生種のようにオス・メス両方にあるもの、オスだけが 角を持つものもある。
角のある品種のほとんどは、左右1本ずつに角を持つ。
色は多様で、野生のもので茶色、飼育されているものだと白から濃いチョコレート色まであり、斑点模様など のものもいる。
品種によって体長や体重も幅広く、メスは40kg~100kg、オスは45kg~160kgである。
また、聴力がよく、水平に細い瞳孔を持つため、優れた周辺視野を持つ。
視野は 270°~320°で、頭を動かさずに自分の背後を見ることができるが、奥行きはあまり知覚できない 。
ヒツジは非常に群れたがる性質をもち、群れから引き離されると強いストレスを受ける。
また、先導者に従う傾向がとても強く、その先導者は単に最初に動いたヒツジであったりもする。
非常に食べ物に貪欲で、いつもエサをくれる人にエサをねだることもある。
羊飼いは牧羊犬などで群れを動かす代わりに、エサのバケツでヒツジを先導することもある。
ヒツジのIQはブタよりは低くウシと同程度であることが明らかになった。
またヒツジは人や他のヒツジの顔を覚え、何年も記憶する。
顔の表情から心理状態を識別することもできる。
羊の雄は集団でいると頭をぶつけ合って戦うことがある。
双方が後ずさりして一定の距離を置いて立ち止まり、せーので互いに突進して頭突きをし鈍い音を立てる。
羊肉は広い地域で食用とされている。
羊の年齢によって、生後1年未満をラム(lamb、子羊肉)・生後2年以上をマトン(mutton)と区別することもあ
る。
生後1年以上2年未満は、オセアニアでは「ホゲット」と区別して呼ばれているが、日本ではマトンに含まれる 。
毛を刈って衣料に利用する、肉を食用にする、乳を飲用にしたり乳製品の加工に使用するなど、人間は 生活の中で広くヒツジを用いてきた。
戦前、防寒具の原料を自給するためにと輸入されたのが、日本での本格的なヒツジの飼育のはじめとされ ている。
ジンギスカン鍋は、毛を刈った後で潰したヒツジの大量の肉を消費する方法として、新しく考案された。
作者:黒