ストーリー解説:1990年~2010年

1986年以前~: リズ連邦の特務研究帰還『ペーパー・カッツ』発足。
        特異点やそれに類する強力な力の研究と応用を目的に、人体実験を中心とした活動を開始する。
        また後の「過去」の特異点であるムスタング・ディオ・白樺も当時ここに在籍していた。

1986年:当時高校生だったセリア・オルコットが失踪。
      世間には行方不明として処理されたが実際には実父・ダニー・オルコットによる拉致。
      優秀な血を引くオルコットの遺伝子を狙われ、ペーパー・カッツによって凄惨な人体実験を受け続け、
      最終的に「未来」の特異点として覚醒する。
      しかし直後に暴走したセリアにより現場にいた研究員はほぼ全員が惨殺され、
      以降、世界の何処にも居場所を失ったセリアは「旅人」として「世界の美しさ」を探求することを決める。

1986年?~:ペーパー・カッツの一員であったポーリー・パトリシア・白樺が「過去」の特異点として覚醒。
         その際の事故により瀕死となったニキータ・テーリッツを救う為、自身の肉体をスペアとして交換する。
         またこれ以降「ムスタング・ディオ・白樺」を名乗るようになる。
         なおこの直後からニキータの肉体を回復させる為に、自ら長期間の休眠に入っている。

1987年~2000年:ザ・リベンジ』。
      1987年、リズ連邦の貧民街にてマキータ・テーリッツ少年が、
      リズ軍のヒレー・ダッカー及び政治家ガール・ポッチと遭遇。
      ひょんな事からヒレーの家に居候する事となったマキータは、
      アームヘッドのパイロットとなる事を勧められ、これを半ば成り行きで承諾。
      その後ヒレーと親子のような信頼関係を築いていたが、出会いから三年後の1990年、
      神聖プラント帝国の軍を殲滅する作戦において、帝国の同盟国である御蓮王国の切り札
      『セイントメシア』と遭遇・対峙。
      マキータは辛くも生き延びるが、ヒレーが犠牲となる。
      そして同年、リズ連邦とプラント帝国間に講和条約が締結され、一応の平和が訪れる。

      それから10年後の2000年、
      新型機『ゾディアーク』のパイロットに選定されたマキータは、
      領土返還やプラント帝国民の移民の容認などを主題とする会議に出席する間の護衛を
      リズ連邦新大統領となったガールに依頼され、これを承諾。

      そして襲撃してきたテロリストの殲滅を遂行する最中、
      同じく護衛にあたっていた御蓮のセイントメシアと再び遭遇(立場としては味方)。
      ヒレーの殺害から来る復讐心によりセイントメシアに攻撃を仕掛け、戦闘となる。
      (心情が変化したのかメシアはマキータ=敵を殺害しようとしておらず、自衛に徹している)

      しかしプラント皇帝テリダクシア・マリス・プラント自ら『創生』を駆って出陣。
      メシアとゾディアークの仲裁に入るが、
      その時マキータの憎しみを媒介にゾディアーク自身の意思が覚醒
      彼の意識を乗っ取り、創生が本質的には『邪=ブラザーフッド』である事を暴露、
      更に不意打ちにより創生を戦闘不能に陥れ、動揺するセイントメシアをも追い詰めるが、
      自らの過ちを悟ったマキータによって動きを封じられ、
      その隙にメシアによってアームキルされる。

      目覚めたマキータは、
      そこでメシアのパイロットが村井研究所の村井 幸太郎であることを知り、
      直後に『皇帝の真意を確かめる』為、和解した彼と共に失踪、行方不明となる。

    『∀ngels in Oblivion
       ザ・リベンジと同じ時間軸に位置する。
       『歴史の裏側を幸太郎の視点から見た物語』という要素も含んでおり、
       彼の心情の変化や、本編で明かされなかった日々などが明らかになっていく。
       ちなみに第1話の時点で、ヒレーが殺害されてから数日ほど経っている。

    『DIRTY WINGS
       物語開始時点では1980年代だが、終盤では2030年まで時代が飛ぶ。
       "現在"の特異点、ロバート・ラスターの軌跡を追う形で物語は展開される。
       ∀ngels in Oblivion同様に"裏舞台"を主軸としているが、
       基本的にはロバートの一人称視点で進み、あまり本編とリンクする個所は少ない。

    『BLACK CROSS
       時代としては1980年代にあたる。
       "黒十字"という武装勢力を中心に展開される物語。

    『ストーリー:デデバリィ
       作中において年代などの記述があまりない為明確な時間軸は定かではないが、
       おそらくは『ザ・リベンジ』とほぼ同じ時間軸に位置していると思われる。

       技術学校を卒業したばかりの新米アーキテクト・トマス・ボーリーが、
       リズ五大湖付近の実験研究所『デデバリィ』に新入り技師として就任。
       謎多き所長ゼニ・ガッポを初めとする奇妙なワークメイト達に翻弄されつつも、
       彼はそこで"戦争"の重みを、文字通り身をもって知る事となる。
       またこの物語の前日譚に『メトロノーム』が位置しており、
       本編にて敵となるリズ連邦の"U.E.T"所属パイロット・ケナー・ポマレリが、
       現在の冷徹な人格となるに至った経緯を辿る形で展開する。

2000年頃:the world changing EVE』。
   時間軸としては、幸太郎の失踪から間もない頃。
   小学生の頃に見たセイントメシアに惹かれてパイロットを目指す女子高生・宝生 旬香は、
   "オーディン"という機体の設計図を拾った事から非日常へと巻き込まれる。
   そして間もなく彼女は"元"菊田重工の御曹司、菊田 言左右衛門の誘いにより、
   彼の率いる武装勢力"トゥ・チェンジ・ザ・ワールド"(以下TCW)に属する事となる。
   なお幸太郎の娘である村井 雪那は彼女の親友でもあり、同じ高校に通っている。

2007年:アフターザレジェンド』。
   アームヘッド関連の重工が"K"を名乗る怪人物に襲撃されるという事件が発生。
   間もなく言左右衛門が自ら"K"である事、またTCWの活動を再開する事を表明、
   次の襲撃目標が村井研究所である事を予告して通信を断った。
   雪那の身を案じ、また言左右衛門の真意を知るべく、旬香は機体を駆って研究所に赴く。

   そこで彼女を待っていたのは、言左右衛門の駆る『スルト』と、
   菊田重工と村井研究所が共同で研究開発し、
   言左右衛門の人格を投影したファントムユミル』だった。
   そして"K"の正体は、実は言左右衛門ではなくユミルである事が判明する。

   自らが本物の言左右衛門となる事を望むユミルは、本人との接触により暴走。
   言左右衛門に酷似したその姿を変え、最早アームヘッドとは呼べない程の巨大な異形と化す。
   そして自らの肉体から次々に怪物を生み出し、世界を"新世界"へと変えようとする。
   またこの大戦において、行方不明となっていたマキータと幸太郎が7年振りに帰還
   決意を固めた旬香と雪那に、二人乗りの機体『バルドル』を託す。

   最終的に旬香・雪那・言左右衛門の三人によって、
   異形の本体である機体『ユミル・ユグドラシル』が撃破され、
   "私のような過ちを起こさないでくれ"と言左右衛門に残し、ユミルは機能停止する。

2007~2010年:ザ・パニッシュメント』。
     マキータと幸太郎が帰還する直前、
     二人はガッポ族の長エライから託されたアームコアの導きにより、
     "アウタゴッドフレンド"という謎の思念体と接触。
     彼からエクジコウの機体『デウス・エクス・マキナ』の存在を知らされる。

     エクジコウが引き起こす巨大隕石墜落、"カタクリズム"の阻止という"答え"を見つけ、
     二人は7年振りに帰還、バルドルを旬香と雪那に託す(『アフターザジェンド』と繋がる)。

     それから3年後、2010年1月17日。
     エクジコウが人間に化身した姿、マクータ・イグザイクスが、
     トンドルの月に位置する自らの独立国家"地球圏統一帝国"の三体の側近の機体と共に
     自らデウス・エクス・マキナを駆って遂にヘヴンの頁高原に出現。

     マキータの駆る『セイントメシアダークサード』、
     幸太郎の『セイントメシアフォース』、及び雪那の『セイントメシアドラグーン』と、
     一般兵達の操る『セイントメシアサード』が迎撃に赴き、側近の三体を撃破する事に成功。
     しかしデウスの桁外れの力によりサードは次々と堕とされ、
     遂には雪那のドラグーンの身代りとなったフォースがその剣に貫かれ爆散。
     幸太郎が戦死する。

     親友の死に憤り、自らに向かってくるダークサード=マキータの姿に、
     イグザイクス(エクジコウ)は嘗ての自分の面影を重ね見、攻撃を躊躇する。
     そして使命を果たすべくプラント帝国皇帝テリダクシアが、
     運命の機体『タイラント』を駆って出陣。
     その圧倒的な力でデウスを追い詰め、遂にアームキルに成功する
     (この時イグザイクス=エクジコウは、自身の復讐が無意味だった事を悟る)

     そしてヘヴンに墜落する隕石が引き起こす大天災=カタクリズムを、
     自らの消滅と引き換えに、調和『メイキング・トゥモロー』の発動によって完全に封殺。
     500年の永き時を経て、遂にその使命を完遂する。

   『世界が変わる、その日まで
      エクジコウとの決戦の前夜、幸太郎が見た夢の物語。
      夢の中で"未来"の特異点ことセリア・オルコットと接触、
      彼女から旅の間に起こった色々な話を聞く形で展開される。
      セリア自身は未来から夢を媒介にして幸太郎と接触しており、時間軸が少しややこしい。
      解りやすいように解説するならば、

       幸太郎視点→     『ザ・パニッシュメント』と同時間軸、決戦前夜
       セリア視点→     少なくとも2030年以降。つまり未来から接触している
       セリアが語る旅の日々→1990年代~2030年まで。
                       ただし"思い出"なので時間軸はばらばら

      という形になっている。
      ちなみにセリアは特異点である為、外見は20代前半のまま変化が無い。
      これは先述のロバート・ラスターも同様である。


最終更新:2013年09月01日 07:07