小説_魔王の世界

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央国歴500年 いくつかの国々に、大勢の人が暮らす、名も無き大陸。 この大陸は、増加の一途をたどる人食いの魔物達と、それを統べる魔王に侵略されようとしていた。 央国の蔵書より発見された予言の書によって、その危機が発覚し、王の命により、魔王討伐の勇者となる者たちが集められ、各地の探索に旅立った。 春期の36日目 午前 初老の旅人は、丘の上から町を眺めていた。 旅人の名前はホム。央国で長い間、兵士として働いていたが、年の始めに王の勅命を受け、今は魔王探索の旅の最中である。 長旅のため、重い甲冑も、愛用の槍も返上し、その身一つで歩いてきた。 国に残す家族もない。 はげかかった頭を撫で、頬に深いしわをつくり、眼下の町を睨んだ。 「これは、居るな、魔王が。」 晴天の空にも関わらず、町は濃い霧に覆われており、その霧は自然のものではないように見えた。 町の名はレイノル、魔王の出現以前には央国との交易が盛んだった漁港の町である。 同日 午後 霧の町に入ったホムは、最初の民家で人々の安否と町の様子を聞いた。 それによると、この町には人の姿をした人外の魔物、吸血鬼が来ており、この霧を生み出している。そして、時折街路に出てきて、若い娘達を、その血を啜るためにさらっていくという。 「なんと羨まし… ごふん、ごほん(咳)、もとい許せんやつだ。」 ホムはその吸血鬼を必ず倒すことを誓い、その居城へと進んだ。 吸血鬼の城は、元は町の領主一族の住んでいた館である。 領主一族は半世紀以上昔、道楽で散財し、夜逃げしていた。館の蔵には今も、領主の収集していた大量のトレーディングカードが眠っているという。 同日 深夜 吸血鬼の居城に押し入ったホムは、ついに吸血鬼の寝室の扉の前に立っていた。 ホムは扉の前に 爆弾(大) を3つ設置し、さらに部屋の四方に同様に 爆弾(大) を設置し、5秒を数えた。 「これで、さらばだ。」 部屋は容赦なく爆破され、逃げ場のないように圧壊し、残った破片も完全に焼却された。 「悪は滅びた。」 さらわれていた娘達には多少の衰弱はあったが、全員の無事に開放された。 このようにして、レイノルの町の吸血鬼は倒され、町に平和が戻った。 しかし、その頃、央国首都は、魔物の軍勢の襲撃を受け、危機に瀕していた。 魔王の脅威は未だ消えてはいなかった。 ---- **カウンター &counter(total) ---- **登録タグ &tags() ---- **コメント #comment(,below,disableurl,noname) ---- &link_up(このページの先頭へ)

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