「抜道」(2011/03/26 (土) 08:37:36) の最新版変更点
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**抜道 ◆6lu8FNGFaw氏
佐原は、南郷を連れてF-6のホテルに背を向け、歩き出した。
佐原の行動方針は2つ。
南郷の言っていたD-5の死体から、首輪を回収すること。
その後、マンホールを見つけ、南郷から借りている麻縄を使い、首輪を縄に括り付けて垂らし、爆発しないかどうか実験をすること。
(俺は何としてもこのゲームの突破口を探す…!
安全に移動できる手段を見つけ、そして、何とかして島から脱出する…!だから棄権費用の事も考えないと…)
佐原はグッと唇を噛み締める。
安全を確保するのは大事だが、それだけでは駄目なのだ。棄権費用を稼ぐ手段はまだ思いついていない。
(……それはおいおい考えていくしかないか…。一歩一歩だ。先ずは安全を確保すること……!)
地下道を掌握すれば、ゲリラ的に地上にいる他の参加者を襲い、銃で脅してチップを奪うことが出来るかもしれない。
板倉の頭を潰して首輪を回収したことで、今の佐原には行動する為の勢いがついていた。
(まず地下……。地下へ降りられるか確認だ……。
………地下だと?)
ふっ、と何かが、佐原の脳裏を掠める。
(確か、黒崎は……)
ドドォォォーーーーーーーーーンッ………!!!!
「!?」
周囲に大きな音が木霊し、佐原達は反射的に身を縮めた。
「な、何だ…!?北の方から大きな爆発音が…」
「ああ……凄い音が……」
佐原と南郷は顔を見合わせた。
ちょうど今、自分達が向かっている方角からの音。
「どうする…?あの音を確かめに行くか…?」
南郷の提案に、佐原は首を横に振った。
「やめとこう。あの爆発音は参加者同士の殺し合いの結果、出た音だろう。今は他の参加者と鉢合わせになりたくない」
「じゃあ、迂回して行くか……」
「ああ……」
佐原は地図を思い浮かべた。商店街の方向に行けば、島の中央を通る羽目になる。
だからといってショッピングモールの傍を通っていくのも…。
先程の遠藤とのやりとりを思い出すと、近くを通る気になれなかった。
「…いったん体制を立て直すか?」
南郷が、佐原の後ろから声をかける。
「今さっきの音は広範囲に渡って聞こえただろう。あの音を聞きつけてやってくる参加者もいるかもしれない。
しばらくさっきの温泉旅館にでも戻って、じっとしているのも手じゃないか?1時間くらいすれば騒ぎが収まるかも知れない」
「…………」
佐原は、南郷の提案した消極策に乗るのはあまり気が進まなかったが、だからといって良案がある訳でもない。
それに、一つ所で立ち往生している今の状況はまずい。
「…わかった」
佐原は頷き、一度温泉旅館まで引き返すことにした。
(……さっき何か思いつきかけたんだが、爆発音で思考が中断されてしまった…。
何だった…?何か重要な……)
「おい、あっち側の空、何だか明るくないか?」
南郷の声に、佐原は再び思考を中断させられた。
「何だ?」
「ほら、あっちの空…。ショッピングモールの辺り…。」
南郷は東の空を指差した。
「何が……あったんだ……。」
二人はE-7とF-7の境目まで移動していた。
遠目に見てもはっきりと分かるほど、大型ショッピングモールはめらめらと燃え盛っていた。
「遠藤が……?放火か?…でも何のために放火を?南郷、何か心当たりないか?」
「さあ…。俺が知っている限りでは遠藤の支給品は、参加候補者名簿だけだった。火事を起こせそうな持ち物はなかったと思うんだが」
「じゃあ巻き込まれたか?厄介事に…」
「まあ、そう考えるのが妥当だろうな。…だとしたら、早目にあそこを出てきて正解だったな…、遠藤には悪いが…。」
南郷は、呆然と空を見上げたまま、呟いた。
温泉旅館ののれんを潜り、佐原と南郷は一先ず休息をとることにした。
「すっかり出鼻を挫かれた気分だ…」
「…そうだな。だが、先程からずいぶん行動したし、休憩を取るのも悪くないんじゃないか」
南郷は、フロント近くのソファに座り、足をさすりながら答えた。
佐原はそんな南郷の様子を見ていた。
(足の怪我、やはりきついんだな。休憩をしたいと言い出したのも、足を休めたい為だ。どうもいまいち、緊張感に欠ける…。
だが反面、同行者としてはあの森田のような頭の回るタイプでなくて良かった。
やはり森田は南郷を利用しようとしていたんだ、間違いない…!)
佐原は南郷から目を逸らし、今後について考えを纏めることにした。
(こうしてる合間にも、ゲームは進行していくっ…!
何しろ、この島の中、場のチップは数に限りがあるんだ。棄権する為には早めにチップを集めて回らなきゃならない。
…それはともかく、今出来ることをやらなければ…。今の状況でも出来ることといったら……。)
「佐原、どこかへ行くのか?」
南郷が、玄関から外へ出て行こうとしていた佐原に声をかける。
「ああ、すぐに戻るさ。この縄、あともう少しの間借りたら返す」
佐原は南郷に縄を示して見せた。
「あった……。」
温泉旅館の裏手、建物のすぐ近くの路地に、探していたものはあった。
窪みに手をかけ、佐原はマンホールの蓋を外しにかかる。
多少力を込めなければならなかったが、なんとか錆付いた蓋を脇へどけることが出来た。
佐原はまず麻縄の端に首輪を括り付け、マンホールの穴から、慎重に縄を下ろしていった。
だいたい縄の半分くらいの所まで下ろしたとき、カツン、と穴の中から小さな音が響いた。
(ふ~……先ずは第一関門クリア……)
佐原は一度深呼吸をすると、縄を掴む位置を変える。
縄のもう一方の端を掴むように持ち替え、マンホールから歩いて遠ざかることで縄を引っ張り、首輪を穴から引き出した。
いつ爆発しても良いように十分な距離をとったのである。
(もし爆発し、周囲に大きな音が響いちまったら俺一人でも逃げちまおう。南郷はあの足じゃ早く逃げられない)
薄情なことを考えながら、佐原は縄を引っ張っていく。
果たして、首輪は地上に戻ってきても爆発することなく、無事に実験は成功した。
(よっしゃっ…!)
佐原は心の中でガッツポーズを取る。不安要素が無くなり、ずいぶんと心が軽くなった。
(実質“生きてる”首輪が無事だったんだから、俺が地下に降りても首輪が爆発しないことがこれで確定した。
あとは……。地下を探索だ。地下で移動できるなら、いくら地上が危険でも関係ない…!すぐに行動に移るか)
佐原は、すぐに地下に降りようとしたが、少し考えて南郷を呼びに行くことにした。
「……成程」
麻縄を佐原から返してもらい、盗聴の危険性を考慮して佐原が書いたメモを見て、南郷は何度も頷いた。
「俺はすぐに行動しようと思うが、アンタはどうだ?足の具合、あまり良くないんだろう」
「いや、大丈夫だ。少し休んだから、歩ける。それにこうなった以上、時間を潰すのは勿体無い」
「わかった。それなら、今から行こう。例の道を通ってD-5へ。そこまで通路が通ってるかどうかは、行って見なけりゃわからないが」
「ああ…!」
南郷はソファから立ち上がった。
旅館から持ってきた懐中電灯をつけ、そのままデイパックに電灯を押し込むと、佐原はマンホールの穴に足を踏み入れた。
デイパック越しの明かりでほんの僅かだが、ぼんやりと周囲が見える。
梯子を降り始めのときは良かったのだが、下まで降りていくうちに段々と悪臭が漂うようになってきた。
「うわっ……えらい匂いだ。やっぱり下水道だな」
佐原は懐中電灯を手に持ち、持っていたタオルを顔に当て、マスク代わりにしながら言った。
同じく、温泉旅館で佐原に言われ、懐中電灯とタオルを手に入れた南郷が同じ格好をして頷く。
「ずいぶん使われてなくて流れがなく、ヘドロが溜まっているもんだから、通常の下水道よりひどい匂いだな」
「まぁ、しゃーないか……。安全と引き換えだと思えば……。」
佐原はげんなりした顔をしながらも、方位磁石を取り出す。
「地下だと方向感覚が掴みにくくなるからな。でも、俺距離感を掴むのはわりと得意だから、多分なんとかD-5まで行けると思う」
「ああ、頼もしいな」
南郷のどこかのんびりした返事に、佐原は溜息をつく。
「…アンタ、途中でへばったりすんなよ。俺は自分しか面倒見切れないから置いてくぞ」
「大丈夫だって!……佐原、少し雰囲気変わったか?」
「ああ?」
「いや、ずいぶん明るい表情になったじゃないか」
「……そうかな」
佐原は曖昧に笑って見せた。
佐原が南郷を置いていかなかったのは、結局は心細かったからである。
地下がいくら安全とはいえ、真っ暗な閉鎖空間の中を一人で歩き回ると考えるだけで気が滅入り、おかしくなりそうだ。
南郷なら背中を任せても大丈夫だろうと思ったし、自分の直感を信じたかった。多少人を見る目には自信がある。
実験に成功したことを切っ掛けにして、佐原は本来の自分を取り戻しつつあった。
下水道は、匂いや暗さを除けばずいぶん移動しやすかった。
島の地下に碁盤の目のように張り巡らされているようで、道は真っ直ぐで、地上に比べ高低差も無い。
懐中電灯で前を照らし、歩きながら佐原はふと先程考えていた事を思い出した。
棄権についてである。
棄権についての情報は、つまるところ、開会式で黒崎が話した挨拶の言葉の中にしかない。
「最後に…………当然皆様には最後に生き残ること………優勝者を目指していただきたいのですが、
例外として途中で生きたまま棄権する権利もございます。
棄権を望まれる方は当ホテル地下で、一億円にて権利をご購入いただけます……。 」
(……あ)
その時、佐原の中で何かが弾けた。
(当ホテル地下で、一億円にて権利を)
(当ホテル “地下” で)
「……南郷、D-5へ向かう前に、一箇所寄る所がある…!」
佐原は、背後の南郷へ呼びかけた。懐中電灯の届かぬ先、眼前に広がる闇を見据えながら。
ずっと心に引っかかっていたのだ。
D-4ホテルで棄権の権利を購入できる筈なのに、D-4が禁止エリアになったこと。
これは『事実上棄権をすることが出来ない』という主催者の意向で、参加者に圧力をかける為なのだろうか?
だが、実質それで圧力に屈し、優勝を目指す方向転換をする者が現れる一方、
主催者に対して強い反感を抱き、対主催に流れ、殺し合わなくなる参加者も出てくる筈である。
主催者にとって棄権の権利を潰すことは、ゲームの進行も妨げる諸刃の剣になるのである。
快楽殺人者でもない、優勝を目指すには力の足りない一般人の参加者は、一億稼いで棄権したいから殺し合うんであって、
そうでなければ誰が好き好んで殺しに乗りたいと思うだろうか。
もちろん、帝愛のギャンブルに参加して、賞金を渡すとき難癖をつけられたり、掌返しをされたことのある佐原には、そうでないと断言も出来なかった。
だが、掌返しをするにしても、D-4ホテルが禁止エリアになったのはまだゲームの序盤だったのだ。
鉄骨渡りを始め、歩き出した直後にゴールの窓が「開かずの間」だと教えられるようなものである。
参加者にやる気をなくさせてどうするというのか。
(奴らなら、もっと希望を残しておくはずだ…。儚い希望に縋ってもがく俺達の姿を見て笑う為に…!)
D-4が禁止エリアになったことで『棄権の権利が無くなった』とは、佐原にはどうしても思えなかったのだ。
(つまり……あるんじゃないか…?
D-4が禁止エリアになっても、参加者が棄権の権利を購入できる“ホテル地下”に安全に入れるルートが…!
……………この先に……!)
違和感と、地下通路。それがここに来て佐原に一つの答えをもたらした。
「ずいぶん歩いたな…」
「ああ。多分もう少しだ」
佐原は、懐中電灯で腕時計や方位磁石を照らして見比べながら、ただひたすら突き進んでいた。
ふと眼前に、唐突に佐原達の行く手を阻むように壁が現れる。
「何だ…?ここで行き止まりか?」
「いや…。この壁を良く見てみろ、南郷」
南郷は佐原に促され壁に近寄ると、懐中電灯で壁を照らし凝視する。
「…ここだけいやに新しいな」
「そうだ。最近作られた壁だ。出来てからまだ数ヶ月と経ってないようだ」
「ここは…?」
「この周囲を調べてみよう。俺の考えが正しかったら、必ず入り口がある筈だ」
二人は手分けして、壁伝いに入り口の在り処を探った。
「あった……」
佐原の持つ懐中電灯の明かりが、真新しい木製のドアを照らしていた。
「南郷、来てくれ。ここに入り口がある」
「……本当だ。しかし何だってこんな下水道に、こんなドアが…?それに、ここはどこなんだ?」
「ほら、見ろ。ここに札が下がっている」
「……『引換所』……?一体……?」
「分からないか…?」
佐原の含み笑いに、南郷は軽く首を振った。
「さっぱり分からねえ…。一体ここは何だ?」
「棄権の権利を購入出来る所さ」
佐原は南郷に、何故こんな所に棄権の権利を購入出来る場所があるのか、自分の推測を説明した。
「ここはD-4、禁止エリアのホテルの地下にあたる場所だ。地下道は電波が届かないから、ここまで安全に辿り着けるって訳だ」
「そうだったのか…。だが、俺達は一億を持っていないから棄権出来ないぞ、今入っても」
「棄権出来るかどうかを確かめに来たんだって言えばいいさ。一億はこれから集めるってな」
「……じゃあ、入ってみるのか?」
「ああ」
佐原は逸る気持ちを抑え、ドアノブに手をかけた。
「……罠ってことはないよな?」
南郷の呟きに、佐原はビクッと肩を震わせ、ドアノブから手を離した。
「わ、罠?」
「いや、こんなに分かりやすいドアだと、もしかしてと思ってな」
佐原の背中に嫌な汗が流れる。
あの時みたいに、風で吹き飛ばされるなんてことは…。今回の場合爆弾とかで…。
「…だ、だが、ここまで来ておいて確かめもせず帰るなんて…!」
「……ノックをしてみたらどうだろう」
「は…?ノック?」
「ああ。もし佐原が言うように、ここがちゃんとした『棄権の権利販売所』なら、まともな反応が返ってくるだろう。無反応なら警戒したほうがいい」
「…そうか。アンタの提案、案外いけるかも知れないな」
佐原は頷くと、控えめにノックをしてみた。
コン、コン。
「……入れ」
中から聞こえた声に、思わず二人の顔が緩む。
だが、まだ油断は出来ない。佐原は恐る恐る、扉を盾にしながらゆっくりと扉を開けた。
そこは、開会式で見たホテル内部の雰囲気と良く似ていた。
簡素ながらも、床に敷かれた重厚な色の絨毯。6畳ほどの間取りだが、そこに置かれた椅子やテーブルは一見して高級と分かる。
数人の黒服が立ち、一人が佐原達に呼びかけた。
「どうした?部屋の中に入れ」
「…念の為聞くが、部屋に入った途端にドカン、なんてことは…?」
「そんなことはありえない。この部屋に辿り着いた時点でお前達は命を保証されている」
「信じていいんだな、その言葉…?」
「安心しろ。嘘をつくようになど言われていない」
「……分かった」
部屋に入ると、数人の黒服は佐原と南郷を取り囲み、一斉に拍手を始めた。
パチ… パチ…
「Congratulations…! Congratulations…! おめでとう…! おめでとう…!」
「おめでとう、お前達はこのゲームが始まってから最初にここに辿り着いた者達だ。間もなく主催者が直々に来られ、お前達に祝辞を述べられるだろう」
「祝辞…?そんなモンいらねえっ…それに、まだ俺達は…」
「ああ、いらっしゃったようだ」
黒服が後ろを振り向くと、目線の先にあったエレベーターの扉が開き、中から黒崎が現れた。
「やれやれ…。ようやく一人目か。思ったよりも遅かったな」
黒崎は先程まで頭の痛い出来事に翻弄されていたのだが、疲れた素振りを見せず佐原達に笑いかけた。
◆
数分前。
黒崎は在全の気紛れなゲームに付き合わされた後、すっかり冷めてしまったコーヒーを片手に椅子に深く腰掛けていた。
目の前のモニターが再び切り替わり、黒服の姿が映し出された。
「黒崎様、最初の『棄権希望者』がここまで辿り着いた様ですが」
「……そうか、すぐ行く」
「かしこまりました」
黒崎は、再び通常のモードになったモニターから目を逸らし、疲れた体に鞭打ってもう一度立ち上がった。
下がっていくエレベーターの中で、黒崎は先程の冷めたコーヒーに添えてあったメモに思いを巡らす。
メモには簡潔に、「了解した」といった内容が書かれてあり、その下にも数行、文章が書かれていた。
その数行は、黒崎の疲弊した体に再び活気を取り戻させるのに十分な内容であった。
◆
「参加者の君達には、優勝を目指して欲しかったのが本音だが、『棄権』は君ら参加者に与えられた権利だ。
おめでとう。さあ、一億円分のチップを出したまえ」
黒崎が促すと、佐原は僅かに動揺したが、胸を張って言い返した。
「生憎、まだ持ち合わせが無いんだ。
今は、本当にお宅らが『棄権』の権利をちゃんと交換してくれるのか、それを確かめに来ただけ…!」
「成程、疑われていたのか。実に心外だ」
黒崎は部屋の中央に置かれた椅子に座り、指を組んだ。
【D-4/ホテル地下・交換所/黎明】
【佐原】
[状態]:健康 首に注射針の痕
[道具]:レミントンM24(スコープ付き) 弾薬×29 懐中電灯 タオル 浴衣の帯 板倉の首輪 支給品一式
[所持金]:1000万円
[思考]:首輪を集める これからチップを稼いで脱出する 自力で生還する 森田を信用しない 遠藤と会いたくない
※森田が主催者の手先ではないかと疑っています
※一条をマーダーと認識しました
※佐原の持つ板倉の首輪は死亡情報を送信しましたが、機能は失っていません
【南郷】
[状態]:健康 左大腿部を負傷 精神不安定
[道具]:麻縄 木の棒 一箱分相当のパチンコ玉(袋入り) 懐中電灯 タオル 支給品一式
[所持金]:1000万円
[思考]:生還する 赤木の動向が気になる 森田の首輪集めを手伝う 森田ともう一度話したい
※森田と第3放送の一時間前にG-6のギャンブルルーム前で合流すると約束しました。
※一条をマーダーと認識しました
|131:[[一致]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:[[投下順>本編投下順]]|133:[[猩々の雫]]|
133:[[猩々の雫]]||COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:[[時系列順>本編時間順]]|141:[[深緋な虚言]]|
|123:[[活路]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:南郷|141:[[深緋な虚言]]|
|123:[[活路]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:佐原|141:[[深緋な虚言]]|
|130:[[宣戦布告(前編)]] [[(後編)>宣戦布告(後編)]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:黒崎義裕|141:[[深緋な虚言]]|
**抜道 ◆6lu8FNGFaw氏
佐原は、南郷を連れてF-6のホテルに背を向け、歩き出した。
佐原の行動方針は2つ。
南郷の言っていたD-5の死体から、首輪を回収すること。
その後、マンホールを見つけ、南郷から借りている麻縄を使い、首輪を縄に括り付けて垂らし、爆発しないかどうか実験をすること。
(俺は何としてもこのゲームの突破口を探す…!
安全に移動できる手段を見つけ、そして、何とかして島から脱出する…!だから棄権費用の事も考えないと…)
佐原はグッと唇を噛み締める。
安全を確保するのは大事だが、それだけでは駄目なのだ。棄権費用を稼ぐ手段はまだ思いついていない。
(……それはおいおい考えていくしかないか…。一歩一歩だ。先ずは安全を確保すること……!)
地下道を掌握すれば、ゲリラ的に地上にいる他の参加者を襲い、銃で脅してチップを奪うことが出来るかもしれない。
板倉の頭を潰して首輪を回収したことで、今の佐原には行動する為の勢いがついていた。
(まず地下……。地下へ降りられるか確認だ……。
………地下だと?)
ふっ、と何かが、佐原の脳裏を掠める。
(確か、黒崎は……)
ドドォォォーーーーーーーーーンッ………!!!!
「!?」
周囲に大きな音が木霊し、佐原達は反射的に身を縮めた。
「な、何だ…!?北の方から大きな爆発音が…」
「ああ……凄い音が……」
佐原と南郷は顔を見合わせた。
ちょうど今、自分達が向かっている方角からの音。
「どうする…?あの音を確かめに行くか…?」
南郷の提案に、佐原は首を横に振った。
「やめとこう。あの爆発音は参加者同士の殺し合いの結果、出た音だろう。今は他の参加者と鉢合わせになりたくない」
「じゃあ、迂回して行くか……」
「ああ……」
佐原は地図を思い浮かべた。商店街の方向に行けば、島の中央を通る羽目になる。
だからといってショッピングモールの傍を通っていくのも…。
先程の遠藤とのやりとりを思い出すと、近くを通る気になれなかった。
「…いったん体制を立て直すか?」
南郷が、佐原の後ろから声をかける。
「今さっきの音は広範囲に渡って聞こえただろう。あの音を聞きつけてやってくる参加者もいるかもしれない。
しばらくさっきの温泉旅館にでも戻って、じっとしているのも手じゃないか?1時間くらいすれば騒ぎが収まるかも知れない」
「…………」
佐原は、南郷の提案した消極策に乗るのはあまり気が進まなかったが、だからといって良案がある訳でもない。
それに、一つ所で立ち往生している今の状況はまずい。
「…わかった」
佐原は頷き、一度温泉旅館まで引き返すことにした。
(……さっき何か思いつきかけたんだが、爆発音で思考が中断されてしまった…。
何だった…?何か重要な……)
「おい、あっち側の空、何だか明るくないか?」
南郷の声に、佐原は再び思考を中断させられた。
「何だ?」
「ほら、あっちの空…。ショッピングモールの辺り…。」
南郷は東の空を指差した。
「何が……あったんだ……。」
二人はE-7とF-7の境目まで移動していた。
遠目に見てもはっきりと分かるほど、大型ショッピングモールはめらめらと燃え盛っていた。
「遠藤が……?放火か?…でも何のために放火を?南郷、何か心当たりないか?」
「さあ…。俺が知っている限りでは遠藤の支給品は、参加候補者名簿だけだった。火事を起こせそうな持ち物はなかったと思うんだが」
「じゃあ巻き込まれたか?厄介事に…」
「まあ、そう考えるのが妥当だろうな。…だとしたら、早目にあそこを出てきて正解だったな…、遠藤には悪いが…。」
南郷は、呆然と空を見上げたまま、呟いた。
温泉旅館ののれんを潜り、佐原と南郷は一先ず休息をとることにした。
「すっかり出鼻を挫かれた気分だ…」
「…そうだな。だが、先程からずいぶん行動したし、休憩を取るのも悪くないんじゃないか」
南郷は、フロント近くのソファに座り、足をさすりながら答えた。
佐原はそんな南郷の様子を見ていた。
(足の怪我、やはりきついんだな。休憩をしたいと言い出したのも、足を休めたい為だ。どうもいまいち、緊張感に欠ける…。
だが反面、同行者としてはあの森田のような頭の回るタイプでなくて良かった。
やはり森田は南郷を利用しようとしていたんだ、間違いない…!)
佐原は南郷から目を逸らし、今後について考えを纏めることにした。
(こうしてる合間にも、ゲームは進行していくっ…!
何しろ、この島の中、場のチップは数に限りがあるんだ。棄権する為には早めにチップを集めて回らなきゃならない。
…それはともかく、今出来ることをやらなければ…。今の状況でも出来ることといったら……。)
「佐原、どこかへ行くのか?」
南郷が、玄関から外へ出て行こうとしていた佐原に声をかける。
「ああ、すぐに戻るさ。この縄、あともう少しの間借りたら返す」
佐原は南郷に縄を示して見せた。
「あった……。」
温泉旅館の裏手、建物のすぐ近くの路地に、探していたものはあった。
窪みに手をかけ、佐原はマンホールの蓋を外しにかかる。
多少力を込めなければならなかったが、なんとか錆付いた蓋を脇へどけることが出来た。
佐原はまず麻縄の端に首輪を括り付け、マンホールの穴から、慎重に縄を下ろしていった。
だいたい縄の半分くらいの所まで下ろしたとき、カツン、と穴の中から小さな音が響いた。
(ふ~……先ずは第一関門クリア……)
佐原は一度深呼吸をすると、縄を掴む位置を変える。
縄のもう一方の端を掴むように持ち替え、マンホールから歩いて遠ざかることで縄を引っ張り、首輪を穴から引き出した。
いつ爆発しても良いように十分な距離をとったのである。
(もし爆発し、周囲に大きな音が響いちまったら俺一人でも逃げちまおう。南郷はあの足じゃ早く逃げられない)
薄情なことを考えながら、佐原は縄を引っ張っていく。
果たして、首輪は地上に戻ってきても爆発することなく、無事に実験は成功した。
(よっしゃっ…!)
佐原は心の中でガッツポーズを取る。不安要素が無くなり、ずいぶんと心が軽くなった。
(実質“生きてる”首輪が無事だったんだから、俺が地下に降りても首輪が爆発しないことがこれで確定した。
あとは……。地下を探索だ。地下で移動できるなら、いくら地上が危険でも関係ない…!すぐに行動に移るか)
佐原は、すぐに地下に降りようとしたが、少し考えて南郷を呼びに行くことにした。
「……成程」
麻縄を佐原から返してもらい、盗聴の危険性を考慮して佐原が書いたメモを見て、南郷は何度も頷いた。
「俺はすぐに行動しようと思うが、アンタはどうだ?足の具合、あまり良くないんだろう」
「いや、大丈夫だ。少し休んだから、歩ける。それにこうなった以上、時間を潰すのは勿体無い」
「わかった。それなら、今から行こう。例の道を通ってD-5へ。そこまで通路が通ってるかどうかは、行って見なけりゃわからないが」
「ああ…!」
南郷はソファから立ち上がった。
旅館から持ってきた懐中電灯をつけ、そのままデイパックに電灯を押し込むと、佐原はマンホールの穴に足を踏み入れた。
デイパック越しの明かりでほんの僅かだが、ぼんやりと周囲が見える。
梯子を降り始めのときは良かったのだが、下まで降りていくうちに段々と悪臭が漂うようになってきた。
「うわっ……えらい匂いだ。やっぱり下水道だな」
佐原は懐中電灯を手に持ち、持っていたタオルを顔に当て、マスク代わりにしながら言った。
同じく、温泉旅館で佐原に言われ、懐中電灯とタオルを手に入れた南郷が同じ格好をして頷く。
「ずいぶん使われてなくて流れがなく、ヘドロが溜まっているもんだから、通常の下水道よりひどい匂いだな」
「まぁ、しゃーないか……。安全と引き換えだと思えば……。」
佐原はげんなりした顔をしながらも、方位磁石を取り出す。
「地下だと方向感覚が掴みにくくなるからな。でも、俺距離感を掴むのはわりと得意だから、多分なんとかD-5まで行けると思う」
「ああ、頼もしいな」
南郷のどこかのんびりした返事に、佐原は溜息をつく。
「…アンタ、途中でへばったりすんなよ。俺は自分しか面倒見切れないから置いてくぞ」
「大丈夫だって!……佐原、少し雰囲気変わったか?」
「ああ?」
「いや、ずいぶん明るい表情になったじゃないか」
「……そうかな」
佐原は曖昧に笑って見せた。
佐原が南郷を置いていかなかったのは、結局は心細かったからである。
地下がいくら安全とはいえ、真っ暗な閉鎖空間の中を一人で歩き回ると考えるだけで気が滅入り、おかしくなりそうだ。
南郷なら背中を任せても大丈夫だろうと思ったし、自分の直感を信じたかった。多少人を見る目には自信がある。
実験に成功したことを切っ掛けにして、佐原は本来の自分を取り戻しつつあった。
下水道は、匂いや暗さを除けばずいぶん移動しやすかった。
島の地下に碁盤の目のように張り巡らされているようで、道は真っ直ぐで、地上に比べ高低差も無い。
懐中電灯で前を照らし、歩きながら佐原はふと先程考えていた事を思い出した。
棄権についてである。
棄権についての情報は、つまるところ、開会式で黒崎が話した挨拶の言葉の中にしかない。
「最後に…………当然皆様には最後に生き残ること………優勝者を目指していただきたいのですが、
例外として途中で生きたまま棄権する権利もございます。
棄権を望まれる方は当ホテル地下で、一億円にて権利をご購入いただけます……。 」
(……あ)
その時、佐原の中で何かが弾けた。
(当ホテル地下で、一億円にて権利を)
(当ホテル “地下” で)
「……南郷、D-5へ向かう前に、一箇所寄る所がある…!」
佐原は、背後の南郷へ呼びかけた。懐中電灯の届かぬ先、眼前に広がる闇を見据えながら。
ずっと心に引っかかっていたのだ。
D-4ホテルで棄権の権利を購入できる筈なのに、D-4が禁止エリアになったこと。
これは『事実上棄権をすることが出来ない』という主催者の意向で、参加者に圧力をかける為なのだろうか?
だが、実質それで圧力に屈し、優勝を目指す方向転換をする者が現れる一方、
主催者に対して強い反感を抱き、対主催に流れ、殺し合わなくなる参加者も出てくる筈である。
主催者にとって棄権の権利を潰すことは、ゲームの進行も妨げる諸刃の剣になるのである。
快楽殺人者でもない、優勝を目指すには力の足りない一般人の参加者は、一億稼いで棄権したいから殺し合うんであって、
そうでなければ誰が好き好んで殺しに乗りたいと思うだろうか。
もちろん、帝愛のギャンブルに参加して、賞金を渡すとき難癖をつけられたり、掌返しをされたことのある佐原には、そうでないと断言も出来なかった。
だが、掌返しをするにしても、D-4ホテルが禁止エリアになったのはまだゲームの序盤だったのだ。
鉄骨渡りを始め、歩き出した直後にゴールの窓が「開かずの間」だと教えられるようなものである。
参加者にやる気をなくさせてどうするというのか。
(奴らなら、もっと希望を残しておくはずだ…。儚い希望に縋ってもがく俺達の姿を見て笑う為に…!)
D-4が禁止エリアになったことで『棄権の権利が無くなった』とは、佐原にはどうしても思えなかったのだ。
(つまり……あるんじゃないか…?
D-4が禁止エリアになっても、参加者が棄権の権利を購入できる“ホテル地下”に安全に入れるルートが…!
……………この先に……!)
違和感と、地下通路。それがここに来て佐原に一つの答えをもたらした。
「ずいぶん歩いたな…」
「ああ。多分もう少しだ」
佐原は、懐中電灯で腕時計や方位磁石を照らして見比べながら、ただひたすら突き進んでいた。
ふと眼前に、唐突に佐原達の行く手を阻むように壁が現れる。
「何だ…?ここで行き止まりか?」
「いや…。この壁を良く見てみろ、南郷」
南郷は佐原に促され壁に近寄ると、懐中電灯で壁を照らし凝視する。
「…ここだけいやに新しいな」
「そうだ。最近作られた壁だ。出来てからまだ数ヶ月と経ってないようだ」
「ここは…?」
「この周囲を調べてみよう。俺の考えが正しかったら、必ず入り口がある筈だ」
二人は手分けして、壁伝いに入り口の在り処を探った。
「あった……」
佐原の持つ懐中電灯の明かりが、真新しい木製のドアを照らしていた。
「南郷、来てくれ。ここに入り口がある」
「……本当だ。しかし何だってこんな下水道に、こんなドアが…?それに、ここはどこなんだ?」
「ほら、見ろ。ここに札が下がっている」
「……『引換所』……?一体……?」
「分からないか…?」
佐原の含み笑いに、南郷は軽く首を振った。
「さっぱり分からねえ…。一体ここは何だ?」
「棄権の権利を購入出来る所さ」
佐原は南郷に、何故こんな所に棄権の権利を購入出来る場所があるのか、自分の推測を説明した。
「ここはD-4、禁止エリアのホテルの地下にあたる場所だ。地下道は電波が届かないから、ここまで安全に辿り着けるって訳だ」
「そうだったのか…。だが、俺達は一億を持っていないから棄権出来ないぞ、今入っても」
「棄権出来るかどうかを確かめに来たんだって言えばいいさ。一億はこれから集めるってな」
「……じゃあ、入ってみるのか?」
「ああ」
佐原は逸る気持ちを抑え、ドアノブに手をかけた。
「……罠ってことはないよな?」
南郷の呟きに、佐原はビクッと肩を震わせ、ドアノブから手を離した。
「わ、罠?」
「いや、こんなに分かりやすいドアだと、もしかしてと思ってな」
佐原の背中に嫌な汗が流れる。
あの時みたいに、風で吹き飛ばされるなんてことは…。今回の場合爆弾とかで…。
「…だ、だが、ここまで来ておいて確かめもせず帰るなんて…!」
「……ノックをしてみたらどうだろう」
「は…?ノック?」
「ああ。もし佐原が言うように、ここがちゃんとした『棄権の権利販売所』なら、まともな反応が返ってくるだろう。無反応なら警戒したほうがいい」
「…そうか。アンタの提案、案外いけるかも知れないな」
佐原は頷くと、控えめにノックをしてみた。
コン、コン。
「……入れ」
中から聞こえた声に、思わず二人の顔が緩む。
だが、まだ油断は出来ない。佐原は恐る恐る、扉を盾にしながらゆっくりと扉を開けた。
そこは、開会式で見たホテル内部の雰囲気と良く似ていた。
簡素ながらも、床に敷かれた重厚な色の絨毯。6畳ほどの間取りだが、そこに置かれた椅子やテーブルは一見して高級と分かる。
数人の黒服が立ち、一人が佐原達に呼びかけた。
「どうした?部屋の中に入れ」
「…念の為聞くが、部屋に入った途端にドカン、なんてことは…?」
「そんなことはありえない。この部屋に辿り着いた時点でお前達は命を保証されている」
「信じていいんだな、その言葉…?」
「安心しろ。嘘をつくようになど言われていない」
「……分かった」
部屋に入ると、数人の黒服は佐原と南郷を取り囲み、一斉に拍手を始めた。
パチ… パチ…
「Congratulations…! Congratulations…! おめでとう…! おめでとう…!」
「おめでとう、お前達はこのゲームが始まってから最初にここに辿り着いた者達だ。間もなく主催者が直々に来られ、お前達に祝辞を述べられるだろう」
「祝辞…?そんなモンいらねえっ…それに、まだ俺達は…」
「ああ、いらっしゃったようだ」
黒服が後ろを振り向くと、目線の先にあったエレベーターの扉が開き、中から黒崎が現れた。
「やれやれ…。ようやく一人目か。思ったよりも遅かったな」
黒崎は先程まで頭の痛い出来事に翻弄されていたのだが、疲れた素振りを見せず佐原達に笑いかけた。
◆
数分前。
黒崎は在全の気紛れなゲームに付き合わされた後、すっかり冷めてしまったコーヒーを片手に椅子に深く腰掛けていた。
目の前のモニターが再び切り替わり、黒服の姿が映し出された。
「黒崎様、最初の『棄権希望者』がここまで辿り着いた様ですが」
「……そうか、すぐ行く」
「かしこまりました」
黒崎は、再び通常のモードになったモニターから目を逸らし、疲れた体に鞭打ってもう一度立ち上がった。
下がっていくエレベーターの中で、黒崎は先程の冷めたコーヒーに添えてあったメモに思いを巡らす。
メモには簡潔に、「了解した」といった内容が書かれてあり、その下にも数行、文章が書かれていた。
その数行は、黒崎の疲弊した体に再び活気を取り戻させるのに十分な内容であった。
◆
「参加者の君達には、優勝を目指して欲しかったのが本音だが、『棄権』は君ら参加者に与えられた権利だ。
おめでとう。さあ、一億円分のチップを出したまえ」
黒崎が促すと、佐原は僅かに動揺したが、胸を張って言い返した。
「生憎、まだ持ち合わせが無いんだ。
今は、本当にお宅らが『棄権』の権利をちゃんと交換してくれるのか、それを確かめに来ただけ…!」
「成程、疑われていたのか。実に心外だ」
黒崎は部屋の中央に置かれた椅子に座り、指を組んだ。
【D-4/ホテル地下・交換所/黎明】
【佐原】
[状態]:健康 首に注射針の痕
[道具]:レミントンM24(スコープ付き) 弾薬×29 懐中電灯 タオル 浴衣の帯 板倉の首輪 支給品一式
[所持金]:1000万円
[思考]:首輪を集める これからチップを稼いで脱出する 自力で生還する 森田を信用しない 遠藤と会いたくない
※森田が主催者の手先ではないかと疑っています
※一条をマーダーと認識しました
※佐原の持つ板倉の首輪は死亡情報を送信しましたが、機能は失っていません
【南郷】
[状態]:健康 左大腿部を負傷 精神不安定
[道具]:麻縄 木の棒 一箱分相当のパチンコ玉(袋入り) 懐中電灯 タオル 支給品一式
[所持金]:1000万円
[思考]:生還する 赤木の動向が気になる 森田の首輪集めを手伝う 森田ともう一度話したい
※森田と第3放送の一時間前にG-6のギャンブルルーム前で合流すると約束しました。
※一条をマーダーと認識しました
|131:[[一致]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:[[投下順>本編投下順]]|133:[[猩々の雫]]|
|133:[[猩々の雫]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:[[時系列順>本編時間順]]|141:[[深緋な虚言]]|
|123:[[活路]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:南郷|141:[[深緋な虚言]]|
|123:[[活路]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:佐原|141:[[深緋な虚言]]|
|130:[[宣戦布告(前編)]] [[(後編)>宣戦布告(後編)]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:黒崎義裕|141:[[深緋な虚言]]|
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