「復讐人」(2009/11/26 (木) 00:18:40) の最新版変更点
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復讐人 ◆xuebCgBLzA氏
―――人間学園事件…
それはある3人の勇気ある少年によって暴かれ、担当であった安部刑事により告発された、ある施設での事件。
その事件が初めて公になったとき、日本中の青少年達が震撼した。
…表面上は鳳臨グループが企画、建設した心に傷を負った未成年のための保護施設。
いうならば少年院…。
だが、それでは生ぬるく、本当の内容は罪を犯した未成年の強制的な更正を求め、違法的な拷問を受けさせられる…、
『監獄』だった…。
少年らの中でリーダー的な活動をしていた少年は無実の罪でこの監獄に連れられ、拷問を受けた…。
そして、自分の無実を証明するために脱獄…。
本来告発された事件は、その少年が関わった平田隆鳳氏刺殺事件だったが、
世間が興味を持ったのは、少年のいた監獄についてだった…。
もちろん、施設の関係者は全員告訴された…。
しかし、鳳臨グループの主である、二代目平田…。
告発された二つの事件、その主犯である二代目平田は無罪っ…。
金で丸め込んだのだ…。裁判の関係者全員を…。
そのため、二つの事件は人間学園課長だった澤井にすべて罪が課せられた…。
澤井の独断で生徒達に拷問を強い、澤井が平田隆鳳を刺し殺した…。
必然…。服役…。
そこを蔵前に拾われてこの殺し合いに参加させられた…。
「クホ…クホ…」
野に放たれた後、澤井は笑っていた。
「遂に…涯…工藤涯に…鉄槌っ…!下される時が来たのだ…!」
澤井の手には支給品である、ハンドガンのエアガンが握り締められている。
試し打ちしてみたところ、殺傷力はないものの、威力は通常の何倍かもあり、改造されているようだった。
「こいつで…涯を…じわじわと殺す…!」
一撃性のある武器よりも澤井にとってはよっぽど当たりだった。
既に涯をどのように殺すかを考えているらしく、口元にはよだれが流れ、正気は顔つきではなかった…。
「そして、儂がこの戦いに勝利し…その後は蛇っ…!平田っ…!
儂を…地獄へ落とし入れた平田とその家族もっ…!殺すっ…!」
かつての雇い主に捨て駒にされ、さすがの澤井も憤怒していた。
「クゥクゥクゥ…クホクホクホ…!」
決意を固めた澤井からは憎悪の念が込められた笑い声が漏れていた…。
工藤涯らが脱走した直後、まだ『人間』達の興奮が覚めやらぬ頃、平田は絶望と苛立ちに体が支配されていた。
「ぐっ…!澤井っ…!逃げられてしまったぞ!涯に…!」
澤井もまた絶望感に満たされていた。
「もっ…申し訳ありませんっ…!こんなっ…こんなはずでは…!
そうだっ!先回りっ!一番近い陸地に兵を送りましょう…!」
澤井が全てを言い切る前に平田は割って入った。
「もうよいっ!責任はっ…、罪はっ…貴様に被ってもらう…!全てっ…!」
「なっ…!?」
平田の予想外の一言に澤井は圧倒された。
「ん…?なんだそれは…!」
平田は、涯の火傷跡を模して作られた鉄片を見つけ、手に取った。
「こんなもので…!儂を騙そうとでも思ったのかっ…!
貴様っ…!どれだけ儂を…愚弄するつもりだ!」
叫びながらその熱せられていた鉄片を、澤井の顔の右半分に押し付けた…。
「ぐあああっ!」
澤井の悲鳴が人間学園の校庭に響く…。
興奮していた生徒も、教官も静まった…。
澤井は一瞬にして顔半分の皮が溶けたことをその時の匂いで判断した…。
「焼かれろっ…!そして落ちろっ…!底辺までっ…!」
そう言い捨てると、澤井の弱くなった悲鳴が聞こえる中、平田は乗ってきたヘリに乗り込み帰っていった。
澤井は涯とお揃いの、顔の火傷の跡を触りながらその日を思い出し、平田への憎悪を膨らませていた。
それを糧にし、この戦いを生き抜くつもりなのだ。
すると…
パァン―――
銃声が近くで鳴った。銃弾は近くの木の幹に当たり、木屑が飛び散った。
澤井は驚きつつも地面に伏す。
男は銃弾が澤井に当たったと思いこみ、近づいてきたようだ。
(クゥクゥクゥ…手ぬるいわ…!)
澤井は地面に突っ伏しながらも近づいてくる男の様子をうかがう…。
「し、死んだ…のか…」
髪の長い小奇麗な男、一条は自分が人を殺した事に動揺していた。
しかし、その瞬間に澤井は飛び起き、手に持っていたエアガンを男に向けた。
「クホクホクホ…!甘いのぅ…!若輩よ…!儂は地の獄より蘇った『復讐人』!
工藤涯を殺すまで…!平田を殺すまでは簡単には死ねぬ…!死ねぬのだ…!」
「くっ…!」
一条は懐にしまってしまったトカレフを取り出そうとする。
「あぁ~!?動くなよっ…!」
そういって、エアガンを強調するように振る。
しかし、一条…それを見て何かを確信…!
迷わずトカレフを取り出す…。
「『復讐人』なら迷わず引き金を引きましょうよ…!拳銃が偽モノでなければ…ね!」
その言葉を聞き、澤井はようやく引き金に指をかける…。
だが、時、既に遅しっ…!
トカレフの銃弾が澤井の体を貫いていた。
鮮血が飛び散る…。
「涯ぃ…が…ぁ…いぃ………平…田ぁ…」
倒れた澤井はうわ言のように復讐すべき相手の名をただつぶやいた後…。
絶命…。
澤井の支給品を整理した後、一条は澤井の死体に語りかけた。
「死ねないのは同じ…。同じさ…『復讐人』なのだから…。私も…」
一条は遠藤、坂崎、そしてカイジの笑顔…。小憎たらしい笑顔を思い浮かべていた…。
「どうせ合法っ…!殺しが合法なら…背負ってたちます…!あなたの復讐もっ…!
あなたを殺したのは私じゃない…。工藤涯に平田という者たちへの憎悪だ…
だから…討つっ…!仇をっ…!」
半ば強引に決め付け、一条の復讐は3人から5人に増えた…。
【G-4/草原/真昼】
【一条】
[状態]:健康
[道具]:黒星拳銃(中国製五四式トカレフ)、改造エアガン、不明支給品0~2(本人確認済み) 支給品一式×2
[所持金]:1000万円
[思考]:カイジ、遠藤、坂崎、涯、平田(殺し合いに参加していると思っている)を殺し、復讐を果たす
&font(red){【澤井 死亡】}
&font(red){【残り 38人】}
|016:[[保険]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:[[投下順>本編投下順]]|018:[[試験]]|
|016:[[保険]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:[[時系列順>本編時間順]]|018:[[試験]]|
|006:[[「I」の悲劇]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:一条|036:[[鏡]]|
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**復讐人 ◆xuebCgBLzA氏
―――人間学園事件…
それはある3人の勇気ある少年によって暴かれ、担当であった安部刑事により告発された、ある施設での事件。
その事件が初めて公になったとき、日本中の青少年達が震撼した。
…表面上は鳳臨グループが企画、建設した心に傷を負った未成年のための保護施設。
いうならば少年院…。
だが、それでは生ぬるく、本当の内容は罪を犯した未成年の強制的な更正を求め、違法的な拷問を受けさせられる…、
『監獄』だった…。
少年らの中でリーダー的な活動をしていた少年は無実の罪でこの監獄に連れられ、拷問を受けた…。
そして、自分の無実を証明するために脱獄…。
本来告発された事件は、その少年が関わった平田隆鳳氏刺殺事件だったが、
世間が興味を持ったのは、少年のいた監獄についてだった…。
もちろん、施設の関係者は全員告訴された…。
しかし、鳳臨グループの主である、二代目平田…。
告発された二つの事件、その主犯である二代目平田は無罪っ…。
金で丸め込んだのだ…。裁判の関係者全員を…。
そのため、二つの事件は人間学園課長だった澤井にすべて罪が課せられた…。
澤井の独断で生徒達に拷問を強い、澤井が平田隆鳳を刺し殺した…。
必然…。服役…。
そこを蔵前に拾われてこの殺し合いに参加させられた…。
「クホ…クホ…」
野に放たれた後、澤井は笑っていた。
「遂に…涯…工藤涯に…鉄槌っ…!下される時が来たのだ…!」
澤井の手には支給品である、ハンドガンのエアガンが握り締められている。
試し打ちしてみたところ、殺傷力はないものの、威力は通常の何倍かもあり、改造されているようだった。
「こいつで…涯を…じわじわと殺す…!」
一撃性のある武器よりも澤井にとってはよっぽど当たりだった。
既に涯をどのように殺すかを考えているらしく、口元にはよだれが流れ、正気は顔つきではなかった…。
「そして、儂がこの戦いに勝利し…その後は蛇っ…!平田っ…!
儂を…地獄へ落とし入れた平田とその家族もっ…!殺すっ…!」
かつての雇い主に捨て駒にされ、さすがの澤井も憤怒していた。
「クゥクゥクゥ…クホクホクホ…!」
決意を固めた澤井からは憎悪の念が込められた笑い声が漏れていた…。
工藤涯らが脱走した直後、まだ『人間』達の興奮が覚めやらぬ頃、平田は絶望と苛立ちに体が支配されていた。
「ぐっ…!澤井っ…!逃げられてしまったぞ!涯に…!」
澤井もまた絶望感に満たされていた。
「もっ…申し訳ありませんっ…!こんなっ…こんなはずでは…!
そうだっ!先回りっ!一番近い陸地に兵を送りましょう…!」
澤井が全てを言い切る前に平田は割って入った。
「もうよいっ!責任はっ…、罪はっ…貴様に被ってもらう…!全てっ…!」
「なっ…!?」
平田の予想外の一言に澤井は圧倒された。
「ん…?なんだそれは…!」
平田は、涯の火傷跡を模して作られた鉄片を見つけ、手に取った。
「こんなもので…!儂を騙そうとでも思ったのかっ…!
貴様っ…!どれだけ儂を…愚弄するつもりだ!」
叫びながらその熱せられていた鉄片を、澤井の顔の右半分に押し付けた…。
「ぐあああっ!」
澤井の悲鳴が人間学園の校庭に響く…。
興奮していた生徒も、教官も静まった…。
澤井は一瞬にして顔半分の皮が溶けたことをその時の匂いで判断した…。
「焼かれろっ…!そして落ちろっ…!底辺までっ…!」
そう言い捨てると、澤井の弱くなった悲鳴が聞こえる中、平田は乗ってきたヘリに乗り込み帰っていった。
澤井は涯とお揃いの、顔の火傷の跡を触りながらその日を思い出し、平田への憎悪を膨らませていた。
それを糧にし、この戦いを生き抜くつもりなのだ。
すると…
パァン―――
銃声が近くで鳴った。銃弾は近くの木の幹に当たり、木屑が飛び散った。
澤井は驚きつつも地面に伏す。
男は銃弾が澤井に当たったと思いこみ、近づいてきたようだ。
(クゥクゥクゥ…手ぬるいわ…!)
澤井は地面に突っ伏しながらも近づいてくる男の様子をうかがう…。
「し、死んだ…のか…」
髪の長い小奇麗な男、一条は自分が人を殺した事に動揺していた。
しかし、その瞬間に澤井は飛び起き、手に持っていたエアガンを男に向けた。
「クホクホクホ…!甘いのぅ…!若輩よ…!儂は地の獄より蘇った『復讐人』!
工藤涯を殺すまで…!平田を殺すまでは簡単には死ねぬ…!死ねぬのだ…!」
「くっ…!」
一条は懐にしまってしまったトカレフを取り出そうとする。
「あぁ~!?動くなよっ…!」
そういって、エアガンを強調するように振る。
しかし、一条…それを見て何かを確信…!
迷わずトカレフを取り出す…。
「『復讐人』なら迷わず引き金を引きましょうよ…!拳銃が偽モノでなければ…ね!」
その言葉を聞き、澤井はようやく引き金に指をかける…。
だが、時、既に遅しっ…!
トカレフの銃弾が澤井の体を貫いていた。
鮮血が飛び散る…。
「涯ぃ…が…ぁ…いぃ………平…田ぁ…」
倒れた澤井はうわ言のように復讐すべき相手の名をただつぶやいた後…。
絶命…。
澤井の支給品を整理した後、一条は澤井の死体に語りかけた。
「死ねないのは同じ…。同じさ…『復讐人』なのだから…。私も…」
一条は遠藤、坂崎、そしてカイジの笑顔…。小憎たらしい笑顔を思い浮かべていた…。
「どうせ合法っ…!殺しが合法なら…背負ってたちます…!あなたの復讐もっ…!
あなたを殺したのは私じゃない…。工藤涯に平田という者たちへの憎悪だ…
だから…討つっ…!仇をっ…!」
半ば強引に決め付け、一条の復讐は3人から5人に増えた…。
【G-4/草原/真昼】
【一条】
[状態]:健康
[道具]:黒星拳銃(中国製五四式トカレフ)、改造エアガン、不明支給品0~2(本人確認済み) 支給品一式×2
[所持金]:1000万円
[思考]:カイジ、遠藤、坂崎、涯、平田(殺し合いに参加していると思っている)を殺し、復讐を果たす
&font(red){【澤井 死亡】}
&font(red){【残り 38人】}
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