「邂逅」(2009/11/26 (木) 00:16:03) の最新版変更点
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邂逅 ◆ZqxRMEDNEs氏
「うぅぅぅぅぅぅん…………」
薄汚れた個室
黒沢とあるものとの真剣勝負
その仕切り直し
男のプライドを賭けたサシ勝負が
今日ここで行われていた
ルールは前回と同じ
大スジは変わらない
ただひとつだけ
このバトルロワイアルの舞台で変わったことがある
一つ殺し合いの状況であるがゆえの
必然━━
黒沢かある物
どちらかが限界まで戦うこと
デスマッチ方式
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
黒沢は泣いていた、予感があった。これは今までの戦いとは違う。もっと絶対的、破壊的な戦い。
血を流す……身を切る……黒沢はそれら全てを覚悟した。
「ガァァァァァァァァァァァ」
ボトンッ
バタンッ
黒沢は勢い良くドアを開ける。まるで射精がごとき快感、圧倒的達成感。
至福の放出。
「危なかったな。すぐに見つかって良かった、良かった」
黒沢は目の前の薄汚れた建物━━━━━━━公衆便所を見上げた。
しきり直し後の真昼━━
黒沢にとってもプライドのかかった便意との戦い
その初っぱな
主催者のルール説明山口死亡の間
黒沢は見事に凌ぐ…
本命の便意はピタリと止めていた
プレッシャーで押しつぶそうとした便意の思惑は空振り
そもそも並の人間は
仮に便意を感じても
案外それを生かせない
置かれている状況が異常すぎると不要に慎重になりみずから流れにブレーキをかける
しかし、こと黒沢に限り
それはない…!
そもそも便意を我慢しようという発想がない
便が出るときはよどみなくだす…!
ベルトを締め終え
黒沢に見える範囲でここまで動くものなし……
しかし、このとき実はある人物は機を待っていた………!
最愛の父親と男を待つ少女、美心はただ怯え待っていた
黒沢がいた個室の隣りのトイレで。
その美心に伝わる異臭、圧倒的異臭
「うっ……なにこれ」
それは息をも極力押さえていた美心にしても耐えきれる物ではなかった。
ぽろ……ぽろぽろ………
号泣
美心は泣いていた、あまりの匂いが目を刺激する。
それに一分程であったが耐えることができたのは美心だからこそだった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
美心は新鮮な空気を求めて外に飛び出した。
当然、自分が殺し合いの舞台にいること、隠れていたことなどは既に忘れていた。
ただ空気…!それを求めていた。
必然的に黒沢の眼前に飛び出すことになる美心、黒沢は呆気にとられたようにそれを見ていた。
自分が殺し合いの舞台にいたことを思い出し、逃げるべきかどうするか。今一考えがまとまらないでいた。
黒沢は肉体労働によって作られた分厚い手のひらを美心に差し出した。
何度かせき込みながらも見上げるようにその手をみる美心。
「うん……大丈夫」
やがて黒沢は殺し合いに乗るような人物ではない。そう結論づけたのだろう、その手をとって立ち上がる。
そもそも一時的な気分の悪さだけだ、外の空気を吸っていればすぐに回復する。
「うん……大丈夫ならよかっ……」
黒沢はこのとき気づいた、自分が美心の手を握っているという事を
黒沢は今までその類の経験が圧倒的に少ない
その結果
情念が……
こもる……
逃げ場のない熱が……
積み重なった…!
何年も
何年も…!
ヒートアイランド現象っ!
カラカラもいいとこ…
そんな死にかけの旅人の前に…
突如…
フルーツてんこもり……!
夢に見た妄想……!
空想が…
右手が……
ソフト・オン・デマンドっ……!
黒沢は右手を慌ててはなす
また不審者と間違われかねない
そう思ったからの行為であったが
元々男性とそれ程接した事のない美心は疑問すら浮かばない
「どうしたの」
「いや……別に」
「そう……」
流れる空白…
話すことがない……
そういった訳ではない…!
何から話すか…
黒沢は思考を纏めていた
「ここって……」
結局先に口を開いたのは美心…!
「ここってやっぱり殺し合いの舞台なの……」
美心はカイジに会える、そう黒服に聞かされここまで来ていた、それなのに先程のあの惨劇…!
あまりに予想外……!
驚天動地っ…!
「う~ん……そうらしいな……」
黒沢はここにくれば自身の治療にかかった莫大な医療費を帳消しにすることが出来る……
そうとだけしか聞いていなかった…
先程の説明
あまり聞いていなかった黒沢にも
事態の重大さが分かってきていた…!
死ぬっ……!
ここでは容赦なく…!
そして
美心のような女の子まで参加している
黒沢は思い出していた
ホームレス達と行った暴走族との決闘
その結果
死の寸前まで行ったとき
あったかかった…
死ぬ
失われるというのに…
いい心持ちだった…
しかし……
もしこの場でこの女の子を死なすようなことがあれば…
誇れないだろう…
死の際……
胸を張ることなど出来ない…!
そうだった…
今までとなんら変わらない…
今までだって闘ってきた……………………
【B4/公衆便所前/真昼】
【黒沢】
[状態]:健康
[所持品]:不明支給品1~3、通常支給品
[所持金]:一千万
[思考]:闘う、美心を守る
【坂崎美心】
[状態]:健康
[所持品]:不明支給品1~3、通常支給品
[所持金]:一千万
[思考]:カイジ、父に会いたい
|009:[[計略(前編)]][[(後編)>計略(後編)]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:[[投下順>本編投下順]]|011:[[盲目]]|
|008:[[天才]]|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:[[時系列順>本編時間順]]|011:[[盲目]]|
|初登場|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:黒沢|028:[[刃と拳]]|
|初登場|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:坂崎美心|028:[[刃と拳]]|
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**邂逅 ◆ZqxRMEDNEs氏
「うぅぅぅぅぅぅん…………」
薄汚れた個室
黒沢とあるものとの真剣勝負
その仕切り直し
男のプライドを賭けたサシ勝負が
今日ここで行われていた
ルールは前回と同じ
大スジは変わらない
ただひとつだけ
このバトルロワイアルの舞台で変わったことがある
一つ殺し合いの状況であるがゆえの
必然━━
黒沢かある物
どちらかが限界まで戦うこと
デスマッチ方式
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
黒沢は泣いていた、予感があった。これは今までの戦いとは違う。もっと絶対的、破壊的な戦い。
血を流す……身を切る……黒沢はそれら全てを覚悟した。
「ガァァァァァァァァァァァ」
ボトンッ
バタンッ
黒沢は勢い良くドアを開ける。まるで射精がごとき快感、圧倒的達成感。
至福の放出。
「危なかったな。すぐに見つかって良かった、良かった」
黒沢は目の前の薄汚れた建物━━━━━━━公衆便所を見上げた。
しきり直し後の真昼━━
黒沢にとってもプライドのかかった便意との戦い
その初っぱな
主催者のルール説明山口死亡の間
黒沢は見事に凌ぐ…
本命の便意はピタリと止めていた
プレッシャーで押しつぶそうとした便意の思惑は空振り
そもそも並の人間は
仮に便意を感じても
案外それを生かせない
置かれている状況が異常すぎると不要に慎重になりみずから流れにブレーキをかける
しかし、こと黒沢に限り
それはない…!
そもそも便意を我慢しようという発想がない
便が出るときはよどみなくだす…!
ベルトを締め終え
黒沢に見える範囲でここまで動くものなし……
しかし、このとき実はある人物は機を待っていた………!
最愛の父親と男を待つ少女、美心はただ怯え待っていた
黒沢がいた個室の隣りのトイレで。
その美心に伝わる異臭、圧倒的異臭
「うっ……なにこれ」
それは息をも極力押さえていた美心にしても耐えきれる物ではなかった。
ぽろ……ぽろぽろ………
号泣
美心は泣いていた、あまりの匂いが目を刺激する。
それに一分程であったが耐えることができたのは美心だからこそだった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
美心は新鮮な空気を求めて外に飛び出した。
当然、自分が殺し合いの舞台にいること、隠れていたことなどは既に忘れていた。
ただ空気…!それを求めていた。
必然的に黒沢の眼前に飛び出すことになる美心、黒沢は呆気にとられたようにそれを見ていた。
自分が殺し合いの舞台にいたことを思い出し、逃げるべきかどうするか。今一考えがまとまらないでいた。
黒沢は肉体労働によって作られた分厚い手のひらを美心に差し出した。
何度かせき込みながらも見上げるようにその手をみる美心。
「うん……大丈夫」
やがて黒沢は殺し合いに乗るような人物ではない。そう結論づけたのだろう、その手をとって立ち上がる。
そもそも一時的な気分の悪さだけだ、外の空気を吸っていればすぐに回復する。
「うん……大丈夫ならよかっ……」
黒沢はこのとき気づいた、自分が美心の手を握っているという事を
黒沢は今までその類の経験が圧倒的に少ない
その結果
情念が……
こもる……
逃げ場のない熱が……
積み重なった…!
何年も
何年も…!
ヒートアイランド現象っ!
カラカラもいいとこ…
そんな死にかけの旅人の前に…
突如…
フルーツてんこもり……!
夢に見た妄想……!
空想が…
右手が……
ソフト・オン・デマンドっ……!
黒沢は右手を慌ててはなす
また不審者と間違われかねない
そう思ったからの行為であったが
元々男性とそれ程接した事のない美心は疑問すら浮かばない
「どうしたの」
「いや……別に」
「そう……」
流れる空白…
話すことがない……
そういった訳ではない…!
何から話すか…
黒沢は思考を纏めていた
「ここって……」
結局先に口を開いたのは美心…!
「ここってやっぱり殺し合いの舞台なの……」
美心はカイジに会える、そう黒服に聞かされここまで来ていた、それなのに先程のあの惨劇…!
あまりに予想外……!
驚天動地っ…!
「う~ん……そうらしいな……」
黒沢はここにくれば自身の治療にかかった莫大な医療費を帳消しにすることが出来る……
そうとだけしか聞いていなかった…
先程の説明
あまり聞いていなかった黒沢にも
事態の重大さが分かってきていた…!
死ぬっ……!
ここでは容赦なく…!
そして
美心のような女の子まで参加している
黒沢は思い出していた
ホームレス達と行った暴走族との決闘
その結果
死の寸前まで行ったとき
あったかかった…
死ぬ
失われるというのに…
いい心持ちだった…
しかし……
もしこの場でこの女の子を死なすようなことがあれば…
誇れないだろう…
死の際……
胸を張ることなど出来ない…!
そうだった…
今までとなんら変わらない…
今までだって闘ってきた……………………
【B4/公衆便所前/真昼】
【黒沢】
[状態]:健康
[所持品]:不明支給品1~3、通常支給品
[所持金]:一千万
[思考]:闘う、美心を守る
【坂崎美心】
[状態]:健康
[所持品]:不明支給品1~3、通常支給品
[所持金]:一千万
[思考]:カイジ、父に会いたい
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|初登場|COLOR(#FFFFFF):BGCOLOR(#a9a9a9):CENTER:坂崎美心|028:[[刃と拳]]|
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