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紫苑の底闇 ◆zreVtxe7E6氏


※天がかなり悲惨な事になります。申し訳ございません。
※グロ表現に拍車がかかっております。苦手な方、ご注意下さい。

平山、井川と姿を消した病院では先程の喧騒は何処へやら。辺りは静けさを取り戻していた。
在るのは一つの遺体と、狂気を具現化したかの様な老獪…鷲巣巌…唯一である。
そんな男が一人、口角を吊り上げ不適な笑みを溢し佇んでいる。
見下ろす先には命の恩人とも言うべき、天貴史の亡骸。
目を覆いたくなる様と言うべきか。そんな有り様の彼を前に鷲巣は、ただ笑っていた。
 「ククク…丁度良い所で死んだものだな…天貴史よ…」
言いつつ鷲巣は、遺体には最早不必要となっているデイバッグを剥ぎ取り、適当な場所へと放る。
 「アレは後で良い…先ずは…“首”っ…!!」
血走った眼を細め、徐にしゃがみこんだかと思いきや何処から拝借してきたのか、鷲巣の手にはすらりと伸びる鋏が現れる。
そう、目的は唯一つ。首輪の回収である。ろくな刃物一つ持たない鷲巣にとって、鋏は貴重な発見であった。…メスが無いかと探していたが、処置室にはそこまでの完備はされていなかったようだ。
とは言うものの、処置室にあった刃物と銘打つ代物は鷲巣の手の内に収まるそれ一つのみ。流石は剛運と言った所だろうか。
それを手にした鷲巣は、案の定と言うべきか…信じられない行動に及ぼうとしていた。
即ち、その鋏で首を“切る”と言うのだ。
鋏を左右限界まで開ききり、片刃を首筋に這うように突き刺す。そうすると、皮膚を突き破り鋏の先端が顔を出す。そうしてしまえば後は鋏本来の、上下に反復させ文字通り“切る”作業をしていくだけ。
流石に医療用と銘打つ代物だけはあり、大した抵抗もなく、思いの外あっさりと筋やら皮膚やらが裂けて行った。

―恩を仇で返す行為?死者への冒涜…?クククッ…!!死んだモノを生きる我々がどう扱おうと勝手じゃ…!!
 寧ろ死んで尚、役に立つのなら本望ではないか…!!と言うかワシは鬱憤が溜まっておる…発散したいんじゃ…!!

…恐らく後者が本音であろうことは、誰の目にも定かである。

じゃき…じゃき…

響く音はやけに軽い。それこそ紙か布でも切っているかのように…テンポよく刻まれていく。まさか首筋を断つ刃音とは、誰が想像しうるだろうか。
やがて鷲巣の右手が悲鳴を上げ始め、長袖の大半を返り血が染め上げた頃、漸く線が一つの輪に繋がり、頭蓋と胴体とを繋ぐ芯が露になった。
 「全く…手こずらせおって…!!」
悪態を付きつつ、苛立ちを込めたように骸を蹴りつけた。そう、これで終わりと言うわけではないのだ。
鷲巣は溜め息を一つ付くと、もう一度屈み込み最大の難所に取り掛かる。
首輪を取ろうとするならば、切れ目を入れただけでは無意味に等しい。その頭をどうにかしてもぎ取り、出口を作ってやらなければ…。
 「ぬぅ…怪我さえなければ…どうにでも出来たものを…っ!」
が、言葉程単純でも無いのだ。
忌々しげに奥歯を噛み締め、鋏の先端を突き立ててみる。が、駄目…。ヒビの入った右腕では鋏を動かす事は出来ても、力を込めて突き立てるのは不可能だ。
またしても大きな溜め息を付き、今度は下にいる天にではなく頭上に広がる天を仰ぎ見る。
 ―こんな所でグズグズもしておれん…。仕方あるまい…ここは諦めて…。
 「…む…?」
その時、鷲巣の脳裏に一閃の閃きが走る…!
視線を落とした先には、非常口の扉。そしてその下の、地面とコンクリートの足場とが成す段差に目が止まった。
 「カカカッ…!!」
狂気の光を取り戻した双眼を見開き、鷲巣はその発見に思わず高笑いを上げた。
要するに、梃子の原理である。
例えば、首から先を段差の先へせり出すとしよう。頭を支えるものは無い状態で、今度は胴体部分を動かないよう固定する。
その状態で、頭に衝撃を入れたらどうなるだろうか…?

鷲巣はその想像に思いを馳せ、吊り上げた口角もそのままに直ぐ様実行へと移した。

――――――


月明かりに照らされ、手に持っている鈍色を浮き上がらせる。それがひどく、彼には似合っていた。
利根川と別れて数分。小走りだった一条はその歩みを止める程の、不可解な現象に遭遇する。
 ―和也様以外にも…随分と良い趣味を持ったも者がいるものだな…。
思わず眉間に皺を寄せ、一瞬だが確実な嫌悪感が走る。

――遺体が、自分の頭を抱いている…。
仰向けにされ、律儀に指を組まされたその間にすっぽりと、首から先の欠けた部分が収まっているのだ。
一見すると腹から首が生えている様にも見える。
 「…首輪、か…」
だが、その様を見ても同情するわけでも無く、憤る訳でもない。ただ冷静に、一条は見当を立てた。
 ―不穏分子か…。どうするか…
一条は一刻前の情報交換を思い出す。彼らの親玉は首輪を集め、また、首輪を集めようとする者を快くは思っていない。
だが、一旦戻ってからでも遅くはないのでは、とも一条は考える。和也の安否と、それを利根川に知らせる役目を担っているのだ。
 「……………」
一条はどちらにせよ、様子を見るだけだと自身を納得させ、暫し寄り道をすることにした。


―――――


満足気な表情を浮かべ、鷲巣は手持ち無沙汰に先程剥ぎ取ったばかりの首輪を、人差し指で器用に回していた。
 「ククク…ッこれでワシも自由じゃ…!!アカギに借りた金も返せる…!探す手間が省けて良かったと言うもの……!!」
デイバッグを引っ提げ、手頃な杖と武器…と言うには心許ないが、兎も角鋏も手に入った。
更には手当ても受けられ、自身が手を下すまでも無く、一人の参加者が消えた。
 ―やはり…この場に於いても…剛運がワシの味方…っ!そしてもう一つ…果たして見付けられるか…?
だが鷲巣の剛運はこんなものではない。まるで…何かに魅入られているかの様に…強引に引き込むのだ。
天賦の才…―ある意味、鷲巣にとって最高で最強の武器。
そして鷲巣はまたしても、その才を発揮する事になる。


鷲巣がこの病院に残った理由…。アカギとの約束は勿論、この病院には何かあると鷲巣は直感していた。

 ―でなければ態々、兵藤の息子らがこの施設を訪れる理由が無い…!

天から聞いた話では、“一階が外来、二階が入院施設”それはまず間違い無く、案内板や受付に残されたパンフレットで確認が出来た。
しかし、何故こんな孤島にこれだけ大きく設備の整った病院が必要なのか…?

鷲巣はパンフレットを閉じると、他に目ぼしいものが無いか受付内を物色する。
 「なんじゃ…?奴等が探しているものは…」
と、その時…。

…カツーン…

独特の高い靴音が辺りに響き渡る。
態々人避けの為に、遺体にあんな小細工を仕掛けたと言うのに…。
が、鷲巣はこれを逆に好機と見た。
即ち、あの有り様に動揺するわけでも、逃げる事もなくこの建物に侵入したと言う事は…。

 「ククク…意外に早かったな…。アカギは仕留められたのか…?」


各々が因果を孕む薄闇の、紫苑の底に彼等は対峙した。互いの距離も掴めぬまま、気配のみを読み取り相手を計る。

この出会いが凶と出るのか吉とでるのか…はたまた新たな悲劇の序章となるのか。

鏑矢を放つは、どちらだ…―



【E-5/病院/黎明】

【一条】
[状態]:健康
 [道具]:黒星拳銃(中国製五四式トカレフ) 改造エアガン 毒付きタバコ(残り18本、毒はトリカブト) マッチ スタンガン 包帯 南京錠 通常支給品×6(食料は×5) 不明支給品0~3(確認済み、武器ではない)
 [所持金]:3600万円
 [思考]:カイジ、遠藤、涯、平田(殺し合いに参加していると思っている)を殺し、復讐を果たす
     復讐の邪魔となる(と一条が判断した)者、和也の部下にならない者を殺す
     復讐の為に利用できそうな人物は利用する
     佐原を見つけ出し、カイジの情報を得る
     和也を護り切り、『特別ルール』によって村上と共に生還する
    利根川とともにアカギを追う、和也から支持を受ける ※利根川とともに、和也の部下になりました。和也とは『和也同盟』と書かれた誓約書を交わしています。
※『特別ルール』――和也の派閥のみがゲームで残った場合、和也の権力を以って、 その派閥全員を脱出させるという特別ルールが存在すると信じています。(『特別ルール』は和也の嘘です)
※通常支給品×5(食料のみ4)は、重いのでE-5ギャンブルルーム内に置いてあります。

【鷲巣巌】
 [状態]:疲労、膝裏にゴム弾による打撲、右腕にヒビ、肋骨にヒビ、腹部に打撲  →怪我はすべて手当済
 [道具]:不明支給品0~2 通常支給品 防弾チョッキ 拳銃(銃口が曲がっている) 鋏(医療用) 松葉杖 天の首輪
 [所持金]:500万円
 [思考]:零、沢田を殺す
     平井銀二に注目
     アカギの指示で首輪を集める(やる気なし)
     和也とは組みたくない、むしろ、殺したい 病院内を探索する。
※赤木しげるに、回数は有限で協力する。(回数はアカギと鷲巣のみが知っています)
※赤木しげるに100万分の借り。
※赤木しげると第二回放送の前に病院前で合流する約束をしました。
※鷲巣は、拳銃を発砲すれば暴発すると考えていますが、その結果は次の書き手さんにお任せします。
※主催者を把握しています。そのため、『特別ルール』を信じてしまっています。
※天のデイバッグを手に入れましたが、まだ中身は確認していません。



136:ひとつの決着 投下順 138:疲労
136:ひとつの決着 時系列順 140:正義
131:一致 一条 144:願意
124:光路 鷲巣巌 144:願意




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